【検証】変電所が近いマンションってどうなの?【周辺施設シリーズ】

【検証】変電所が近いマンションってどうなの?【周辺施設シリーズ】

マンション探偵のシリーズ企画「周辺施設シリーズ」今回のテーマは「変電所」

変電所とは、関西電力などの電力会社の施設の一つで電圧を変換するための変圧器などが設置されている、上記の写真のような所です。

発電所とは異なり、変電所は住宅街の中にも普通にある施設となります。

今回はその変電所が近くにあるマンションの影響などを解説していきましょう。

 

注意:本サイトはマンションや不動産に関連する専門分野の情報提供を目的とするものであり、医学・医療情報における専門的分野の情報提供や診療行為またはこれに準ずる行為を目的としていません。

そのため、本記事で示した点は本サイトとしての一つの意見としてご利用ください。また、必要であれば適切な医療機関の受診等、自身の判断で行ってください。

変電所による健康への影響はほぼない

変電所による健康被害をインターネットで検索を行うと、「影響はない」と断言するサイトもあれば「影響が甚大」と不安を煽るサイトもあります。

また「電磁波防御グッズ」なるものを「パワーストーン」や「電磁波防御シール」などを販売しているようなサイトもあります。

まず、変電所の悪影響を煽り「電磁波防御グッズ」などを購入させようとする商売は「霊感商法」の一種であり悪用していると言えますので注意して下さい。

そして、変電所による健康への影響ですが当サイトでは「変電所による健康への影響は一部の例外を除き、限りなく小さい(ほぼ無いと言える)」と考えています。

当サイトがそのように考えている根拠は以下の2点からです。

1点目:財団法人電気安全環境研究所(JET)電磁界情報センターの情報

上記のサイトでは以下のように解説されています。

瞬時的な(短期的な)影響

電力設備などから発生する超低周波電磁界をあびると体の中を電気が流れます。普通の生活環境であびる数百倍にあたるような強い電磁界をあびると、その影響で神経や筋肉の活動がさまたげられることがあります。さらに強い電磁界では、心臓の働きに影響を与えることがわかっています。しかし、普通の生活環境において、そのような強い電磁界は存在しません。したがって、送電線・変電所からの磁界が健康に悪影響を及ぼすことはないと考えられます。

2点目:変電所は100年以上の歴史があり、問題があれば既に表面化しているはずである

また、もう一つは変電所自体が100年以上の歴史があるため、危険であると指摘するサイトの情報が正しく、本当に危険があった場合、既に多くの被害が発生しているはずであると考えます。

当サイトが調べたところによると「1895年8月にナイアガラの滝に水力発電所が建設」されたものが初めての変電所であるとされます。

 

これらのことによって「変電所による健康への影響は一部の例外を除き、限りなく小さい」と考えています。

また次以降に「一部の例外」と「限りなく小さい」点について解説をしていきます。

 

小児白血病のリスクについて

一部では「0.4マイクロテスラ以上で小児白血病のリスクが2倍に高まる」と言われており、これを根拠に変電所は危険と解説するサイトもあります。

この「0.4マイクロテスラ以上で小児白血病のリスクが2倍に高まる」自体はもともと論文に掲載されていたもので、一つの可能性を指しています。これらの研究結果については文部科学省が「症例数が少ないこと、他の交絡因子の影響の除去が適切であるか不明であること等から「優れた研究であるとは言えない」と評価しています。」と評価をしています。

実際に、論文など学会研究では様々な論文が出されていますので、一つの可能性であると考えましょう。

また、この可能性についても逆の意見として「症例が少ないという指摘もある」ということは認識しておくと良いでしょう。

このことから、本サイトでは「0.4マイクロテスラ以上で小児白血病のリスクが2倍に高まる」ということだけを積極的に信じるべきではなく、その可能性があると考えるべきと判断します。

 

変電所は学校の下や地下に作られている

その上で、実際の変電所の運用の内容について確認しておきましょう。

実は現時点で、目に見える場所にある変電所だけでなく、学校の地下などに変電所が作られており、稼働しているのです。

現時点(2016年4月)のホームページ掲載時点で地下に202か所の変電所が東京電力管内だけで設置されているのです。(詳しくは東京電力のホームページを御確認ください)

もちろん、この数値だけを見て「変電所は安全である」とは直結しません。

しかし、これだけ多くの変電所が身近にある中で、マンションの近くの変電所だけの危険性を取り上げるのは論理的ではありません。

 

リスクは変電所だけでなく「電車」「太陽光」「テレビ・ラジオ電波」等にもある

さらに、当サイトでは変電所の健康影響を考えるのであれば、「携帯電話」「ドライヤー」「電車」「電子レンジ」「太陽光」等様々な身近なものにも影響を考えるべきであると考えます。

具体的には以下のものです。

電磁界の種類と発生源(引用:(JET)電磁界情報センター)

電磁界の種類と発生源(引用:(JET)電磁界情報センター

もし、変電所への健康影響を捉えるのであれば、これらにも同じくリスクを考え、対策を行なうべきであると考えます。

 

全く影響がないわけではない(一部の例外)

一方で当サイトは「変電所には全く健康に与える影響はなく、完全に安全安心なものだ」と考えているわけではありません。

上で述べた通り「変電所による健康への影響は一部の例外を除き、限りなく小さい」と考えています。

この一部の例外とは「電磁波過敏症」などです。

とは言っても、その多くは正式な疾患というよりは思い込み、プラシーボ効果によって実際に心身に影響が出ていると言えます。

(もちろん、現在の科学が万能ではないため、まだ未知の疾患の可能性もありますが)

理由としては変電所や携帯・PCなどのいかにも電磁波を発生してそうな物には影響がありますが、「電車」「太陽光」などに影響が出ている者が少ないためです。

当サイトの見解としては「プラシーボ効果であっても、影響を受ける人は実際にいる」そのため、変電所などによって健康被害が本当にあると信じている人は変電所近くのマンションを購入すべきではない。と考えます。

実際にプラシーボ効果による影響は甚大であると考えられます。そして、プラシーボ効果は自分でコントロールを行うことが難しいことから、心配する人にはお勧めできません。

変電所を見る度に偽薬を口にするようなものですので、日に日に影響は高まっていくと考えられるためです。

 

最後に

当サイトは医療のスペシャリストではありません。

しかし、独自の調査を行った結果、当サイトの見解として「変電所による健康への影響は一部の例外を除き、限りなく小さい」と考えています。

そして、当サイトでは変電所に対してこのように考えています。

「既に身近な地下街や学校などの地下に変電所が多数稼働していることから、マンションの近くの変電所だけを指して健康被害を論じるのは感情論であること」

「実際に心身に影響を受けてしまう可能性のある人は少ないながらも存在していること。」

と考えます。

また、このような電波などの健康被害を発信するサイトなどの場合、悪徳商法のようなサイトも多くありますので、注意してください。

被害を訴えている人を見ても変電所や電子レンジ、IHなどに影響があると謳っているサイトでも「太陽光」や「電車」「放送波」の影響を記載していないサイトなどは注意して、悪徳商法に騙されないようにしましょう。