提供公園とは -用語集-

提供公園とは

提供公園とは、開発面積3000㎡以上の大規模なマンション建築する際に都市計画法によって定められている、マンション側が整備をしなければならない公園のことを指します。

この提供公園は大規模なマンションを建築する際には必須となるだけでなく、周囲の周辺住民に開放しなければならないと決められています。
この提供公園では、完成後の管理は基本的には市町村が行うことになり、提供公園にかかる固定資産税なども住民側はかかりません。

理想の提供公園とは

いくら、法律で「提供公園を作らないといけないと決められている」と言われても、マンションの土地を公園として周辺の住民にも使われると聞くと少し気になりますよね。

しかし、安心してください。

実は、マンションの立地や提供公園の内容によっては、マンションそのものの価値を高めることにも役立つのです。

一方で提供公園の設計や方針が良くないと提供公園が薄暗い印象となってしまうリスクもありますので、その点も事前に確認をしておきたいとものです。

 

では、その確認をする前にまずは提供公園について、調べてみましょう。

提供公園の整備については各自治体の「都市整備局 公園課」によって手引きとしてある程度の要項が定められているのです。詳しくは以下の参考のリンクからご覧ください。

参考:尼崎市都市整備局 公園課の提供公園の整備手引き(外部PDFへのリンクとなります)

実際にこの整備手引きを見てみると「設置する遊戯施設や休養施設の種類、材質等については、市の担当者と十分に協議して決定す ること。」(P5)と記載があるように、明確にこの提供公園の施設や内容が定まっているわけではないのです。

そのためマンションの開発業者に提供公園の設計や施設の選定が任されているのですが、提供公園の設計までを意識した設計ができる開発業者とあまり、意識をしていない開発業者とがあるのです。

では、次でそれぞれのケースにおいての理想の提供公園の形を見てみましょう。

 

住宅街の中の理想の提供公園は?

住宅街の中の提供公園の場合、「周辺のマンションにも提供公園があるかどうか?」をまずチェックしましょう。

既に周辺のマンションにも提供公園があれば、実際にその提供公園の利用の有無やゴミなどがないかどうかをチェックしていきましょう。

このような提供公園の場合、ホームレスが利用をしないようにベンチに「寝ころび行為を防止する加工処理」を行ったり、砂場には犬猫などの糞尿による衛生上の問題があるため、設置を避けていたりしますが、古い提供公園であればそのような配慮になっていない可能性もあります。周囲がどのように利用されているのかはチェックしましょう。

そして、その気になった点があれば、実際の検討しているマンションの提供公園でそのような問題がないかを確認しましょう。

また、「住宅街の中の理想の提供公園」としては以下の2ポイントが重要と言えます。

  1. 子供が利用しやすい遊具があること
  2. 木々が多すぎず、日光が当たること

この2点が重要と言えます。

結局のところ、大規模なマンションの場合、提供公園は設置しないといけないのです。

これは決まりになっているため、大事なことはその提供公園が誰にも使われず、暗い印象になるのではなく、実際に利用され、人が集まるような明るい雰囲気であることが大事です。

 

都市部の理想の提供公園は?

一方で都市部の提供公園の場合は理想の住宅街の提供公園とは異なります。

都市部になると住宅街よりもホームレスが利用する可能性も高くなりますので、以下の5つの点を注意しましょう。

  1. 見るからに誰でも利用出来るベンチではないこと。
  2. ベンチの数はあまり多くないこと。
  3. 日当たりを最優先にした設計ではなく、公園内に照明が設置されていること。
  4. オシャレな設備などを取り入れていること。
  5. エントランスから公園が見えること。

この5つの点が重要と言えます。

これらの点はすべて、気軽に誰でも利用出来るような印象を抱かせないことがポイントと言えます。

都市部の提供公園となってしまうと誰でも気軽に利用ができるようになってしまうとセキュリティー面でもあまり良くはないため周辺の人には「開かれたスペース」や「住民のための庭」というイメージを抱かせることができれば良いでしょう。

とにかく、オシャレなスペースということが都市部の提供公園では重要と言えます。