【駅エリアレポート】JR六甲道駅エリアの価値を調査しました【神戸市灘区】

駅エリアレポート

【駅エリアレポート】JR六甲道駅エリアの価値を調査しました【神戸市灘区】

本記事では神戸市灘区の中でも、「プレミスト六甲道」や「ジ・アーバネックス六甲道」などの新築マンションも建築される注目のエリアJR六甲道駅の駅周辺エリアのレポートを行います。

周辺レポートですので、少なからず、阪急六甲駅・阪神新在家駅エリアにも役立つ情報となっていますので、ぜひご覧ください。

本レポートでは周辺の店舗や施設のレポートではなく、その土地の価値に重点を置いたレポートを行いますので、本エリアで新築マンションの購入や土地購入をお考えの方は是非チェックしてください。

 

 

はじめに:JR六甲道駅の駅南側の再開発について

ウェルブ六甲道3番街

ウェルブ六甲道3番街

2016年現在、JR六甲道駅南側は六甲道南公園という大きな公園と商業施設が連なるウェルブ六甲道があり、区役所があるなど住環境にも恵まれた副都心というイメージを抱かせてくれます。

このJR六甲道駅南側は再開発ということもあり、公園も非常に整備されており、綺麗な印象なのですが、実は平成7年1月17日の阪神・淡路大震災でこの周辺は焼失・倒壊など大きな被害を受けた地区のため、いち早く災害にも強い街づくりをしていこうということで市街地再開発事業と認定され、開発が進められたのが、この地区です。(ちなみに、同時期に阪神・淡路大震災の復興再開発として決定されたのは本地区と「新長田駅南地区」の2地区)

では、実際にどのような再開発だったのか、中身を見てみましょう。

六甲道駅南地区 再開発計画

六甲道駅南地区 再開発計画

神戸市ホームページより引用

上記が、この周辺の再開発計画となります。この中でも特に赤く塗りつぶされている場所が再開発の重点地区となっています。

総事業費は約892億円とかなりの金額をかけて再開発されています。ちなみに、892億円と聞いてもイマイチピンとこないのでわかりやすく例えると2013年のUSJの売り上げが821億円ですので、USJの1年間の売り上げに匹敵するくらいの金額が六甲道の再開発に注ぎ込まれているのです。(2013年はハリーポッター導入直前にあたり、ハリーポッター導入後はさらに売り上げを伸ばして2015年は1385億円になっています)

これはこの地域を分析する上で極めて、重要な点です。ここまでコストをかけて整備された場所は今後も価値を保ち続けることに貢献するでしょう。

 

 

JR六甲道駅の利用客数:

では実際にJR六甲道駅の乗降客数を見てみましょう。

駅の乗降客数はその地域の価値と直結する大きな指標です。その地域を利用している人が多ければ、当然その周辺の家賃にも影響が出るだけでなく、中長期的には快速が止まったり、駅のランクが上がることにもつながりますので、乗降客数はチェックしておくべき指標でしょう。

以下のグラフは平均の1日あたりの同駅の乗降客数となります。

JR六甲道駅の利用客数

JR六甲道駅の利用客数

 

1999年では平均22,591人の利用者があり、そこから右肩上がりに上がっていき、ピーク時の2007年には25,523人の利用者がいました。

その後若干、落ち着きましたが、直近の2014年度では25,485人となっており、JR西日本の駅の中では第33位の規模となっています。

JR六甲道駅の場合には、南約600mには阪神新在家駅があり、北約700mには阪急の六甲駅があるような立地のため、六甲道周辺にお住いの方でも学校や勤務先が阪急阪神のため、そちらの沿線を使っている人もいることを踏まえると六甲道駅の規模感はかなり大きなものであると言え、この地域の価値を高めてくれるものであると言えます。

また、隣には新駅の摩耶駅が2016年3月に運営予定のため、この周辺の価値に貢献するものと思われます。

 

 

地価公示価格による分析:

次に公的な数値をもとに分析をしてみましょう。

今回用いる指標は国土交通省が毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を調査している「地価公示」をもとに調査します。

実勢価格とは異なりますが、この数値は定点観測でき、国土交通省が調査している公的な数値であるため、その地域を分析する上では極めて、有益な指標ですので、ここではこの数値を用います。

また、調査対象の場所は以下の通りです。

地番:兵庫県神戸市灘区深田町1丁目2番3外(六甲道、 350m)

平成27年1月1日:275,000(円/m²)

平成26年1月1日:263,000(円/m²)

平成25年1月1日:252,000(円/m²)

平成24年1月1日:249,000(円/m²)

平成23年1月1日:248,000(円/m²)

平成22年1月1日:248,000(円/m²)

平成21年1月1日:265,000(円/m²)

平成20年1月1日:271,000(円/m²)

 

これらの推移からリーマンショック前の水準い戻ってきているということがわかります。

また、駅前の土地だからということもあるのですが、1㎡で275,000円はかなり価値としても高いと言えます。

どうしても商業地の方が高くなってしまうので、

 

 

不動産鑑定士による当該地域のコメント:

それでは、属人的な影響を多分に含まれる情報にはなりますが、不動産鑑定士による当該地域のコメントを調査しましたので、ここに記載をいたします。

また、以下の不動産鑑定士によるコメントは全て、国土交通省による平成27年地価公示の鑑定評価書から引用しています。

ちなみに、調査対象は上記で調べた地価公示価格と変わらず「神戸市灘区深田町1丁目2番3外」の結果となっています。

 

不動産鑑定士:小堂 安彦氏の見解

・地域要因の将来予測:当該地域は一般住宅と共同住宅等が混在する住宅地域である。今後とも安定した住環境を形成していくものと予測する。

・市場の特性:同一需給圏は、阪急神戸線、JR東海道本線及び阪神電鉄本線沿線で、概ね神戸市及び阪神間諸都市に存する比較的駅に近い中小規模の住宅地域である。需要者は、主として圏内の居住者が殆どを占め、圏外からの転入者は少ない。利便性に恵まれ、都心回帰の傾向を受け根強い需要を有する地域でもあり、地価は上昇局面に入った。土地は4,600万 円(280,000円/m²:165m²)程度の物件が需要の中心を占めている。

不動産鑑定士:梶川 智保氏の見解

・地域要因の将来予測:鉄道駅への接近性や利便性に優れる住宅地域であり、今後とも現況通り推移するものと予測される。堅調な需要 が見込まれるため、地価水準は上昇傾向で推移するものと判断される。

・市場の特性:同一需給圏は阪神電鉄本線及び阪急電鉄神戸本線並びにJR東海道本線沿線で、概ね神戸市東部に位置する住宅地域である。需要者は圏内居住者をはじめ、圏外からの転入も想定される。中規模一般住宅を中心に共同住宅等も混在する住 宅地域であり、駅への接近性に優れる等、利便性が高いことから、需給はおおむね強含みに推移している。土地の総額 で4500万円程度の物件が需要の中心となっている。

お二方ともプロの不動産鑑定士ですが、両者の見解が一部で分かれていることが興味深いですね。

例えば、同地域が”圏外からの転入が想定される”か、”圏外から転入が少ない”と明確に分かれていたりします。

これはどちらが正しいのか、という問題ではなく、それだけ不動産の鑑定すること、分析をすることは非常に難しいことであるということが言えます。

ただ、どちらの方も結論としては変わらず、この地域には根強い需要があると結論付けています。

 

 

直近1年の中古マンション相場:

次は民間の不動産会社の情報をもとに見てみましょう。

これはあくまで、参考レベルの情報になりますが、一つの実勢価格という点では押さえておくべき視点かと思われます。

まず、結論からですが、直近1年間(2015年〜2016年)の六甲道周辺の中古マンション相場においては、変動は大きくはなく、価値は維持されているようです。

以下は、野村不動産アーバンネットの調査によると六甲道駅徒歩10分以内の戸数50~200戸未満の中規模マンション、設立は85年〜89年、つまり築25年〜30年近く経過した物件の坪単価です。

15年1月:67万円

15年4月:67万円

15年7月:67万円

15年10月:67万円

16年1月:67万円

(引用は野村不動産アーバンネットの中古マンション価格動向HPによる)

築30年近く経過した物件の価格での坪単価ですので、これが近辺の底値とも言えるでしょう。

 

今回の記事のように単にマンションの営業マンの意見だけでなく、色々な側面からしっかりと調べることによって、裏付けとして確実なものがわかってくるものだと思います。

そして、 上記調査した結果からは六甲道周辺は資産価値として高いものがあり、今後も底堅く進捗していくのではないか問うことが予想される地域であると言えます。

本サイトでは他にも地域に関する情報やマンション情報を掲載しているため、そちらの記事もご参考ください。