【駅エリアレポート】阪急西宮北口駅エリアの価値を調査しました その2【西宮市】
この記事では阪急西宮北口駅エリアの駅周辺のレポート第2弾となります。
検索などから来た方にはぜひとも、第1弾も合わせて「【駅エリアレポート】阪急西宮北口駅エリアの価値を調査しました その1【西宮市】」からご覧ください。
この第2弾の阪急西宮北口駅エリアレポートでは、主に地価公示価格などの実データをもとに阪急西宮北口駅エリアの資産価値がどのくらいあるのかのレポートをいたします。
過去の数年に遡り地価公示価格の分析や不動産鑑定士によるコメントの分析などの一緒にレポートとなっています。
阪急西宮北口駅周辺の土地の取引価格を分析
まず、阪急西宮北口駅周辺の実際の土地の取引価格を確認してみましょう。
この数値は実際に取引された土地の価格となるため、周辺の価値を把握する上では参考になるでしょう。

西宮北口駅周辺土地売買価格(クリックで拡大 引用:国土交通省土地総合情報システム)
まず、注目すべきはこの取引情報が豊富にあることです。
この国土交通省のシステムは周辺で取引があった土地の価格をすべてデータを取ったものではありません。
ほんの一部しか記載がない場合がほとんどなのですが、それにも関わらず西宮北口駅周辺では22件の取引データがあります。
これは非常に多く、以下周辺の駅の取引価格件数と比較しても非常に多いことがわかります。
JR西宮駅 | 5件 |
JR甲子園口駅 | 11件 |
JRさくら夙川駅 | 3件 |
阪急阪神国道駅 | 4件 |
阪急・阪神今津駅 | 0件 |
阪急門戸厄神駅 | 16件 |
阪神西宮駅 | 9件 |
上記のように他の電鉄路線と比較しても当然多く、同じ阪急沿線と比較しても多いことがわかります。
もちろん、この件数が多いことが即ち価値が高いことには繋がりませんが、取引の件数が多いことには比例していきますので、注目されている場所であるとは言えるでしょう。
次に取引価格を見てみましょう。
さらに地域を細かく分析したレポートは後に行いますが、ここでは全体感をつかめればそれで構いません。
一部、イレギュラー的に安いものが含まれていますが全体的に70万〜190万程度取引をされていることがわかります。(注:イレギュラー的に安い物件はこの地域だけでなく、他の地域でも見受けられるので除外して考えましょう。)
この水準はかなり高い水準と言えます。
例えば、三宮の再開発で注目をされている神戸市中央区の高級住宅街とされる北野周辺でも150万円ですし、同時期の駅レポートを行った「新神戸駅」では70万〜120万ですので高いと言えます。(参照:【駅エリアレポート】新神戸駅エリアの価値を調査しました その2【神戸市中央区】)
では、次にそれぞれの個別のエリアを調査していきましょう。
西宮北口の場合、調査地点が多いため、第3弾の記事と分けてレポートします。
まずは、西宮北口駅の「北西側」駅から440m離れている南昭和町を調査します。
兵庫県西宮市南昭和町70番1の鑑定評価書(西宮北口駅、 440m)
それでは、次に個別の地点を同じく国土交通省より地価公示価格のデータをもとに分析していきましょう。
まずは、調査地点の周辺場所を以下の地図から確認しましょう。
まさに駅前の一等地と言う場所になります。現地は駅から徒歩6分の場所となります。
また、この場所はRC6階建の共同住宅として利用されている土地となっている。
ちなみに、ここまで駅から近いのですが用途地域としては「第一種中高層住居専用地域」に当たる場所ですので、比較的住環境が重視されている住宅街と言えるでしょう。
本地域における公示価格の推移(1㎡当たりの価格)
平成28年1月1日:370,000(円/m²)
平成27年1月1日:355,000(円/m²)
平成26年1月1日:344,000(円/m²)
平成25年1月1日:335,000(円/m²)
平成24年1月1日:319,000(円/m²)
平成23年1月1日:315,000(円/m²)
平成22年1月1日:315,000(円/m²)
平成21年1月1日:313,000(円/m²)
平成20年1月1日:317,000(円/m²)
このようになっています。
これだけだとイメージが湧きにくいため、グラフでもチェックしてみましょう。
実はこのグラフは他の地域と比較してもかなり特徴的なグラフとなっています。
実際に他の地点として神戸市中央区の推移グラフも見てみましょう。
これは神戸市中央区の地点ですが、他の地域も神戸市中央区と同じようなグラフになっており、西宮の方が特徴的なグラフとなります。
平成20年から下落して平成22年ごろに下げ止まり、平成26年から上がっていくイメージです。
これは、リーマンショックによって土地の価格が全国的に平成20年から下落して平成22年にかけて下がりましたが、アベノミクスによって平成26年から上がっているのです。
一方で西宮のグラフはリーマンショックによっても土地の価格が下がらずに、アベノミクスによって価格が上がって行っている傾向になります。
西宮の地価については、本連載の第1弾「【駅エリアレポート】阪急西宮北口駅エリアの価値を調査しました その1【西宮市】」にて2008年にオープンした「西宮ガーデンズ」によって徐々に人気が上がっていったとお伝えをした通り、地価もそれに連動する形で上がっています。
不動産鑑定士による当該地域のコメント:
では、次に平成28年1月において、不動産鑑定士による当該地域のコメントを調査しましたので、ここに記載をいたします。
まずは、不動産鑑定士である小塩 敦氏のコメントとなります。
また、以下のデータは国土交通省による「鑑定評価書」より引用します。
地域要因の将来予測
当該地域は一般住宅、共同住宅等が混在する住宅地域で、当面は現状維持と予測する。居住環境が良好で西宮北口駅を最寄り駅とする人気の高い地域で需要が多く、地価水準は、上昇傾向で推移していくものと予測する。
同一需給圏は、神戸市東部から阪神間で最寄り駅まで徒歩圏内の住宅地域全般と判定した。需要者の中心は、中堅及び大手マンションデベロッパーと考えられる。対象不動産の存する地域は、西宮市内有数の人気が高い住宅地域であり、絶対的な供給量が少なく需要は多い。市場の中心価格帯は、画地規模により総額にばらつきがあるが、ある程度規模のまとまった土地については希少性が高く、高額取引となる場合も多く見られるため、把握することは困難である。
対象不動産周辺では、人気の高さから面大地はマンション用地として取引されることが多い。比準価格は、不動産の市
場性に着目した実証的な価格である。開発法による価格は、デベロッパーの投資採算性に着目して求めた価格であり、
本件のような面大地では説得力を有するものの、想定要素が多いことは否めない。したがって、比準価格を標準とし、
開発法による価格を比較考量し、更に、代表標準地との均衡にも留意の上、鑑定評価額を上記のとおり決定した。
〈一般的要因〉
西宮市内の人口は微増傾向にあり、高齢化率の増加率は県全体より高くなっ ている。土地取引件数は、平成27年から減速傾向にある。
〈地域要因〉
居住環境が良好で人気の高い住宅地域であり、需要は多く、地価は上昇傾向で推移している。
となっています。
補足解説を行うと、このエリアの居住環境はやはり、良好と判断されるだけでなく、西宮北口駅が最寄り駅となるのは人気の高い地域であると判断されており、今後も地価は上昇傾向で推移していくものと予測されています。
また、本地点がマンションということもあり、マンションを建てられるくらい広い土地は稀少性が高いため、プレミアム的な価値も付いてくるため、このような高水準の価格となっているようです。
とにかく、プロから見ても人気のエリアであると評価されているのが、印象的な土地と言えるでしょう。
最後に
今回の第二弾の特集では、実際の土地の取引価格の分析や、西宮北口エリアの地価公示価格などをもとに分析を行いました。
ただ、西宮北口エリアの場合、地価公示価格の分析する場所が非常に多いこともありますので、次回、第3弾も西宮北口エリアの地価公示価格を中心に分析をしていきますので、西宮北口エリアをチェックしたい人は是非、次の第3弾もご覧ください。