すまいの環境性能表示とは
すまいの環境性能表示とは事業者が住宅の環境性能を販売広告等へ表示し、情報提供する制度です。
延べ面積2,000m2以上の一部の集合住宅等では、環境配慮条例に基づき、広告や工事現場への表示が義務付けられています。
- 地球温暖化への配慮
- 建物の断熱で省エネ
- 住む人の安全・安心
- 緑と街並みへの配慮
- 太陽光発電の利用(太陽マーク)
これはすべての地域のマンションが対象とはなっておらず、東京都、大阪府、名古屋、京都市、神戸市などの一部の自治体で取り組まれている制度です。
(引用:神戸市ホームページ)
これによって、マンションを購入する側は参考にする材料にできるというわけです。
すまいの環境性能表示ってどこまで参考にしたらいいの?
ここからはマンション探偵独自の調査の印象なのですが、このマンション環境性能表示制度はカタログやスーモなどにも表示されていてアピールはされていますが、どこまで参考にすればいいのか、少々、わかりにくい点も多々あるかと思います。
そこで、本サイトでは住まいの環境性能表示について簡単に解説を行っていきます。
解説1:評価はマンション事業者の自己評価である。
これは多くの方が勘違いされていたのではないでしょうか?一見すると神戸市や大阪市などの公的機関が評価しているように見えてしまいますが、実はマンション事業者が神戸市や大阪市などの公的機関が定めた評価システム(CASBEE)をもとに自己評価を行ったものがこのすまいの環境性能表示なのです。
解説2:評価基準だけでなく評価システム(CASBEE)も開示されている。
実はこのすまいの環境性能表示の評価基準が開示されているだけでなく、その評価を行うシステムも開示されています。
リンク先は神戸市のものとなりますが、こちらをご覧ください。
ちなみに、そのシステムはExcelで動くという一般人でも身近に感じられるシステムとなっています。
さて、マンションの購入検討者が役立つとすると「CASBEE 神戸 ver.2 評価マニュアル」ですが、ページ数がなんと220ページという現実的にすべて読むのは厳しい分量になっています。
ここでは、一部を抜粋してどのような評価を行っているのかを掴んでいただきます。
例えば、こちらは空気環境、化学汚染物質の対策評価の指標です。
最低の水準が「建築基準法を満たしている。」となり、それよりも高いレベルに「建築基準法を満たしており、かつ建築基準法規制対象外となる建築材料(告示対象外 の建材および JIS・JAS 規格のF☆☆☆☆)をほぼ全面的(床・壁・天井・天井裏の面積 の合計の 70%以上の面積)に採用している。」などの指定があります。
このような細かい評価が220ページに及んで評価をされているのです。
解説3:最高ランクを取得することはほぼ、無理。
ここまで解説した上で身も蓋もないのですが、正直なところ一般の新築マンションでこの基準の最高ランク(総合評価の最高点)を取るのは現実的に難しいです。それは技術的に取れないというよりは取ろうとするとコスト的に割の合わないものになってしまうということです。
実際にSランク(素晴らしい)を取得した物件をこちらのリンクから見てみましょう。
平成22年から平成27年の5年間で神戸市で過去にSランクを取得した物件は6件のみですが、その中にマンションは1件もありません。