【その1:概要編】和田興産(ワコーレ)ってどんな会社なの?【ディベロッパー分析シリーズ】
【ディベロッパー分析シリーズ】の分析記事ということで、今回は神戸を代表する地元のディベロッパーである和田興産(ワコーレ)社の分析を取り上げます。
この記事では和田興産(ワコーレ)社の概要編ということで、同社の基本的なプロフィールを解説していきましょう。
さらに詳しい記事もどんどんと追加をしていきますので、お楽しみに。
また、【ディベロッパー分析シリーズ】がどんなシリーズなのか詳しく知りたい人は「マンションはディベロッパーで選ぶ!ディベロッパーを分析する3つのポイント【ディベロッパー分析シリーズ】」にて解説を行っていますので、そちらも合わせてチェックしましょう。
和田興産(ワコーレ)とは?
は、神戸市中央区に本社のあるディベロッパーで、
「ワコーレ」というマンションブランドで展開しています。
近年では「ワコーレの一戸建て住宅 ノイエ」というブランドで戸建て販売も行っています。
の実力というと神戸の分譲マンションの販売では非常に強く、神戸においての戸数ランキングであらゆる大手企業に打ち勝ち、ここ15年常にトップになっているほどです。

(引用:和田興産HP)
そのため、神戸で生まれ育った人には自身がワコーレに住んでいたり、友人の家がワコーレのマンションだったりするケースもあり、馴染み深いとは言えるでしょう。
神戸では圧倒的な存在感もそれ以外の都市では…
このように神戸では圧倒的な存在感を誇っており、マンションの購入を検討していない人でも知っている。と言えるほどの存在感を誇っている和田興産(ワコーレ)ですが、神戸を出ると存在感もかなり小さくなってしまいます。
それでは、以下のランキングを見てみましょう。
同じ年の「神戸」のマンション戸数のランキングと「近畿」のマンション戸数のランキングです。

(引用:和田興産HP)
神戸では2位の「プレサンスコーポレーション」に大差をつけて1位となっています。
そして、近畿圏でも和田興産は5位につけており、健闘しているように思いますが…
和田興産の近畿の販売戸数「838戸」のうち、当然神戸の「642戸」が含まれているため、神戸以外の戸数は「196戸」となっており神戸以外が非常に少ない。神戸に集中していることがわかります。
また、神戸以外の「196戸」についても「明石市」「姫路市」「尼崎市」「宝塚市」など、神戸の隣接している地域となることから、大阪や京都などでの知名度は非常に低いと言えるでしょう。
注:ただし、神戸以外での知名度が低くても、神戸で抜群の知名度を誇っているため、問題はありません。
マンションは新築でも中古でも変わらず、その土地に住みたい人が購入するものですから、神戸のマンションは神戸の人に知名度が高ければマンションブランドとして何ら問題はないのです。
ワコーレのマンションの傾向を探る
では、次にワコーレのマンションの傾向を分析していきましょう。
ということで、現時点(2016年6月)の和田興産のホームページに掲載されているマンションのおおまかな概要を一覧にまとめましたので、以下をご覧ください。
ちなみに、背景に薄い緑色をつけている物件は全て神戸市内の物件となります。
住所 | 最寄り駅 | 参考価格 | 価格帯 | 総戸数 | |
ワコーレ住吉パークレジデンス | 東灘区 | 「住吉」駅より徒歩7分 | 3LDK 3,500万円〜 | 3,590万円 ~ 4,990万円 | 31戸 |
ワコーレ神戸本山中町 | 東灘区 | 「摂津本山」駅より徒歩12分 | 4,690万円 ~ 5,980万円 | 20戸 | |
ワコーレ ザ・六甲プレミアム | 灘区 | 「六甲」駅より徒歩4分 | 未定 | 21戸 | |
ワコーレ王子公園 原田の森 | 灘区 | 「王子公園」駅より徒歩3分 | 3LDK 2,900万円〜 | 2,990万円 ~ 4,520万円 | 36戸 |
ワコーレ王子公園ラグゼ | 灘区 | 「王子公園」駅より徒歩10分 | 3,430万円 | 20戸 | |
ワコーレ神戸三宮トラッドタワー | 中央区 | 「三ノ宮」駅より徒歩9分 | 3LDK 3,200万円〜 | 2,650万円~12,800万円 | 195戸 |
ワコーレ神戸中山手 ザ・プライム | 中央区 | 「県庁前」駅より徒歩3分 | 1LDK 2,480万円〜 | 2,480万円 ・ 2,680万円 | 19戸 |
ワコーレ神戸上筒井 ゆりのき通り | 中央区 | 「春日野道」駅より徒歩8分 | 3LDK 2,900万円〜 | 2,990万円 ・ 3,990万円 | 29戸 |
ワコーレ新神戸マスターズレジデンス | 中央区 | 「新神戸」駅より徒歩2分 | 3LDK 3,200万円〜 | 1,980万円 ~ 5,090万円 | 122戸 |
ワコーレ須磨海浜公園駅前 | 須磨区 | 「須磨海浜公園」駅より徒歩2分 | 3LDK 2,800万円〜 | 2,890万円 ~ 5,490万円 | 26戸 |
ワコーレ須磨名谷ステーションハート | 須磨区 | 「名谷」駅より徒歩3分 | 4,370万円 ~ 4,720万円 | 25戸 | |
ワコーレ東舞子町ザ・ハウス | 垂水区 | 「舞子」駅より徒歩4分 | 4,610万円 ~ 8,480万円 | 13戸 | |
ワコーレ垂水 エル・フラッツ | 垂水区 | 「垂水」駅より徒歩10分 | 3LDK 3,300万円〜 | 3,350万円 ~ 6,080万円 | 20戸 |
ワコーレ舞子海岸通 | 垂水区 | 「舞子」駅より徒歩13分 | 3,290万円 ・ 3,890万円 | 15戸 | |
ワコーレ明石レジデンス・アート | 明石市 | 「西新町」駅より徒歩8分 | 3LDK 2,900万円〜 | 2,990万円 ~ 3,990万円 | 24戸 |
ワコーレ明石レジデンス・エアー | 明石市 | 「西新町」駅より徒歩6分 | 3LDK 2,800万円〜 | 2,890万円 ~ 3,990万円 | 42戸 |
ワコーレ西明石ステーションマークス | 明石市 | 「西明石」駅より徒歩5分 | 3LDK 2,700万円〜 | 2,790万円 ~ 3,900万円 | 26戸 |
ワコーレ明石ブライトコースト | 明石市 | 「西新町」駅より徒歩3分 | 3LDK 2,800万円〜 | 2,870万円 ~ 3,520万円 | 38戸 |
ワコーレ姫路クロススクエア | 姫路市 | 「山陽姫路」駅より徒歩5分 | 3LDK 2,600万円〜 | 2,350万円 ~ 3,890万円 | 32戸 |
ワコーレ姫路京口 マークス | 姫路市 | 「京口」駅より徒歩3分 | 3,400万円 ~ 3,990万円 | 45戸 | |
ワコーレ ディ・アルクス武庫之荘 | 尼崎市 | 「武庫之荘」駅より徒歩3分 | 未定 | 24戸 | |
ワコーレ仁川ザ・レジデンス | 宝塚市 | 「仁川」駅より徒歩6分 | 5,060万円 ・ 5,340万円 | 36戸 | |
ワコーレ伊丹安堂寺レジデンス | 伊丹市 | 「稲野」駅より徒歩10分 | 3,510万円 ~ 5,780万円 | 44戸 | |
ワコーレ池田ザ・レジデンス | 池田市 | 「池田」駅より徒歩10分 | 5,290万円 ~ 6,690万円 | 49戸 |
(公式HPの情報により本サイト作成。参考価格は広告より。価格帯は調査時点の販売期の価格帯のためマンション全体の価格帯ではないことに注意)
改めて、このように見るとやはり神戸市内の物件に力を入れているということがよくわかりますね。
「ワコーレ池田ザ・レジデンス」だけが大阪府内の物件ですが場所的には兵庫県との県境に位置していますので、ほぼ全ての物件は姫路〜阪神間に収まっているとも言えるでしょう。
他にも特徴がいくつかあるので、チェックしてみましょう。
戸数は20戸前後の低層マンションが中心
特徴としては、まずは戸数に現れています。
三宮のトラッドタワーなどを一部のマンション除くとほとんどのマンションが20戸程度の低層マンションがメインとなっています。
これは和田興産(ワコーレ)の最大の特徴と言ってもいいかもしれないですね。
なぜ、このように20戸程度の規模のマンションを中心に開発をしているのかというと、20戸程度のマンションというのは土地の広さとしても大規模ではないため、あまり大手ディベロッパーが開発したくない広さと言え、開発業者間の競争が少ないメリットがあります。
というのも、大手のディベロッパーから見れば、わざわざ20戸程度のマンションのために新しくモデルルームを作ったり、宣伝をしていくとなるとどうしても効率が悪くなってしまいます。
ですが、和田興産(ワコーレ)だと他にも複数、神戸にマンションを販売しているため、既に稼働しているモデルルームに新たに併設するなどを行えるので、小さな土地でも効率的に販売できるメリットもあります。
そして、このような背景から競争が少ないことから有利な条件での土地の仕入れができていると言えるでしょう。
価格帯は最安値 3LDK 2000万円後半〜3000万円前半層
そして、和田興産では価格面でも非常に特徴的な戦略と言えるでしょう。
同社が取り扱っている全てのマンションではありませんが、価格帯は最安値が3LDK 2000万円後半〜3000万円前半と非常に戦略的な価格帯と言えるでしょう。
このような手の届きやすい価格帯というのも、一つの特徴と言えるでしょう。
最後に
和田興産(ワコーレ)の概要は掴めたでしょうか?
この記事は【ディベロッパー分析シリーズ】の和田興産(ワコーレ)に関する最初の記事ですので、基本的な内容などが多く含まれていたかもしれません。
次回からは経営状態に関する分析など、少し専門的な内容も含んでいきますので、ぜひ、御覧ください。
<和田興産社(ワコーレ) 分析シリーズ>
【その1:概要編】和田興産(ワコーレ)ってどんな会社なの?【ディベロッパー分析シリーズ】
【その2:財務分析編】和田興産(ワコーレ)ってどんな会社なの?【ディベロッパー分析シリーズ】