マンションに和室って必要?〜メリットデメリットを比較してみた〜

マンションに和室って必要?〜メリットデメリットを比較してみた〜

マンションの標準間取りでは、意外と多い和室。和室から洋室に変更するにはオプションとなっているケースも多く、和室は使いにくいイメージが…

でも営業マンからは「意外と和室って便利なんですよ。遠くから親族が来た時には和室で泊まってもらったり、子供が小さいうちは和室で一緒に寝たりしますので、皆さん意外と重宝されています」と言われるケースが多いようです。

この記事ではそんなマンションの和室について、徹底解説!メリットとデメリットを比べてみましょう。

そもそも、マンションに和室はなぜ多いのか?

近年の新築マンションの間取りやモデルルームでも積極的に和室は採用されています。

まずは和室のメリットやデメリットを検証する前になぜ、デベロッパーは和室をバリエーションに揃えているのか、そんな業者の考えを見ていきましょう。

(1)5畳でも部屋数を稼げる

デベロッパーの観点から見た場合、最もメリットとしてあるのが和室の広さが5畳でも狭く感じず部屋数を稼げる点が挙げられます。

マンションの販売の際に、部屋数はとても重要な点となっており、同じ65㎡でも2LDKと3LDKでは全然反応が変わります

当然、3LDKの方が反応が良いです。

ただ、元々の広さが限られている以上、どうしても一部屋当たりの広さに限度があります。

そこで、和室の登場です。

和室の場合、以下のメリットがあるので、モデルルームでも狭く感じにくいのです。

  1. ベットを置かなくて良い。
  2. ドアではなく「ふすま」のため、リビングと繋げれば広く感じられる。=「リビングも広く見える」

特に、和室が狭く感じないだけでなく、「ふすま」を開ければ「リビングも広く見える」というメリットはとても大きいと言えるでしょう。

 

(2)おしゃれな畳を使うと華やかに。アクセントに。

さらに、最近では昔ながらの畳ではなく、琉球畳のようなオシャレな畳も出ています。

オシャレな畳を使うと印象も良い(引用:Courage Life)

オシャレな畳を使うと印象も良い(引用:Courage Life

まさに上の写真のようにオシャレな畳を使って、「ふすま」を開ければ、上記でお伝えをした通り「リビングも広く感じれます」し、何よりもモデルルーム全体もオシャレになります。

これが、普通の洋室を3つ用意するとなると1つは「夫婦の寝室」、後の二つが「男の子の部屋」と「女の子の部屋」という具合となっても、意外とモデルルームの見学者は見ません。

それであれば、1つは「夫婦の寝室」、1つを「子供の部屋」として、最後の1つを和室にした方が、モデルルーム全体のアクセントにもなるのです。

 

このような理由からマンションデベロッパーは和室を取り入れた間取り設計をするケースが増えています。

では、ここからは実際に住む時の和室のメリットとデメリットをみていきましょう。

 

和室のメリット

では、まずはマンションの和室のメリットをみていきましょう。

(1)子供の遊び場、来客時の寝室など用途を限定せずに使える。

和室の最大のメリットがこの用途を限定せずに子供の遊び場や来客時の寝室として使える点でしょう。

和室ですので、寝る時には布団を出してそこで寝ることも容易ですし、リビングと繋がっている場合が多いため、子供の遊び場スペースとしても使える。

 

(2)書斎や勉強部屋など、独自の使い方ができる

和室には洋室にない「落ち着き」があり、書斎や勉強部屋にぴったりとも言えます。

特に、子供の勉強の場合、自分の部屋をもたせても自分からやらない子がほとんどです。

その場合には、リビングに繋がっている和室であれば、母親の存在もありますので、勉強にもつながっていくと言えます。

 

また、和室は押入れのため、クローゼットよりも収納力が高いという意見もネット上にはありますが、クローゼット用の収納グッズがニトリや無印良品などで普通に売られていますので、それを活用すれば問題はありません。

クローゼット用吊り収納(引用:ニトリ)

クローゼット用吊り収納(引用:ニトリ

クローゼットの中にボックスを入れると収納力が上がります(引用:無印良品)

クローゼットの中にボックスを入れると収納力が上がります(引用:無印良品

結局のところ、和室にした場合、布団を収納しないといけなくなりますので、押入れの収納力はメリットでもデメリットでもないと考えられます。

 

上記の2点が和室のメリットと言えます。

特に一番大きいのが一つ目の「(1)子供の遊び場、来客時の寝室など用途を限定せずに使える。」このメリットですね。

例えば、定期的に親族が寝泊まりのある予定であれば、通常は子供の遊び場として、そして緊急の寝泊まり用として使うことができます。

また、子供の人数や間取りにもよりますが、子供が小さく自分の部屋が入らないうちは「子供部屋は物置になります」

ですので、子供が小さいうちには「和室」の方が色々と使い勝手がありますし、物置にならずに済みますので「和室の方が良かった」という考えになりやすいでしょう。

一方、子供が大きくなり自分の部屋が必要になると、洋室が足りていれば良いのですが、子供が多いと頭を悩ましてしまうでしょう。

 

 和室のデメリット

では、次に和室のデメリットについて考えていきます。

(1)いろいろな家具を置けない

これは、デメリットだけではないかもしれませんが…

和室の場合、基本的にはいろいろな家具を置く場所ではありません。

簡単な机かコタツ、あとはテレビ台くらいでしょう。

もちろん、これは和室がスッキリとしますのでデメリットではないと考えることもできるでしょう。

 

(2)手入れが大変

畳の場合、日焼けがフローリングよりも目立ちやすいと言えます。

また、フローリングの場合は全体的に日焼けしているとあまり、古い印象を抱きにくいのですが、畳の場合にはどうしても古くなってしまい、消耗品のようです。

そのため、定期的な好感が必要になってきます。

また、飲み物をこぼしたりすると、その後が目立ちやすいというのもデメリットと言えるでしょう。

 

(3)将来の子供部屋にできない。

そして、何よりも最大のデメリットがプライベート性がないため子供部屋にできないというデメリットがあります。

和室では「ふすま」となっており、音なども漏れてしまいますので、子供部屋としてはあまり適していないのです。

そのため、将来、家族の人数と部屋の数が合っていない時には確実に揉めてしまいます。

これが原因で再度、引越しなどにもなってしまい兼ねません。

逆に部屋が足りている場合には、そこまでデメリットではないとも言えるでしょう。

例えば、夫婦と子供一人で3LDKのうち一部屋が和室の場合には、快適に過ごせるでしょう。

 

 最後に

結局のところ、マンションの和室問題は将来の家族構成によって異なると言えるでしょう。

結局のところは、子供部屋をそれぞれ用意するのかどうか、子供の人数や性別などによっても異なるため、一概には言えませんが、しっかりと計画をしておいた方が良いでしょう。

また、インターネットの口コミには注意した方がいいでしょう。インターネットの口コミの場合、口コミを書いた人の家族構成や間取り、などによって異なるため、参考になる意見ばかりではありません。

和室はとてもいい。と口コミが合っても、その口コミを書いた人は子供がもう独立しているかもしれませんし、夫婦と子供一人で3LDKのうち一部屋が和室かもしれません。

そのような口コミに流されるのではなく、しっかりと自分たちの計画を立てましょう。

意外と思われるかもしれませんが、口コミで満足している人も5年後に家族の状況が変わって不満が出てくるとも限りません。

マンションは長く住むものですので、将来のことも考えて検討していきたいものですね。