【読者相談】子供なし20代夫婦だけどマンションを買ってもいいの?【長文注意】【2万文字超インタビュー】

【読者相談】子供なし20代夫婦だけどマンションを買ってもいいの?【長文注意】【2万文字超インタビュー】

先日、当サイト内の記事「なんと、無料でマンションの対面個別相談をします【大阪・グランフロント】」にて、ようやく相談が実現をしましたので、その模様や相談内容を相談者の許可を得て、公開します。

ちなみに、インタビューの記事は非常に長文となってしまいましたが、他の人のマンションの購入相談は他の人にもきっと役立つと考えていますので、ぜひともご覧くださいませ。

また、このインタビューは非常に長いため、まずは以下の目次で全体の流れを掴んでから一読ください。

<目次>

  • マンションを欲しい理由を挙げていく
  • 今、住んでいるマンションの不満を考えよう
  • 挙げた不満はマンションの購入で解決できるのか?
  • 経済的に損したくない!という人のマンション選び
  • 人生設計を立ててみる
  • 一つは「今の住みたい街にどのくらい住みたいのか?」
  • 二つ目「お金の面で、マンションを買ってもいいのかをチェック」
  • 三つ目「子供などの家族計画、世帯収入、親の面倒、どこまで考えるのか」
  • 子供の人数や将来の計画はどのように考えているのか?
  • 収入・仕事などはこれからどうなる予定か
  • 親の実家や親の面倒などはどうなるのか
  • マンションを購入するとしたら親からの支援はあるのか
  • その他、何か将来の点で計画しておくことはあるのか?
  • (1)経済的に損をしたくないのまとめ
  • (3)部屋が少し狭い
  • 最初から子供部屋は必要か、子供部屋が必要になってから買い直すか?
  • (4)周りの住民はどうか?
  • インタビューを終えて
  • 最後に

*前回(こちら)の相談記事と同じですが、読みやすいようにインタビュー形式に編集しています。かなり、読みやすくなったと思いますので、ぜひ参考にしてください。

また、個人情報に関わる部分は結論のアドバイスが変わらない範囲で修正していますので、ご了承ください。

相談者:山川さんご夫婦(仮名)

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夫:山川隆さん(29歳)

妻:山川美由希さん(29歳)

 

それでは、早速、今回の相談内容をみてみましょう。

同じような状況の人はぜひ参考にしてください。また、同じ状況ではなくても他のマンションの購入検討者がどのように考えているのかを知ることは結構役立ちますので、ぜひ参考にしながら貴方であればどのようなアドバイスをするのか、考えながら読み進めると良いでしょう。

***

こんにちは。私は中堅のIT企業に勤める山川隆(仮名)と申します。

今回、マンション探偵のサイトに掲載されていた読者相談にて、相談をしたくご連絡をさせていただきました。

私は結婚をしておりますが、まだ子供がいません。

友人や同僚が徐々にマンションや家を購入しており、妻ともそろそろマンションの購入を検討しようか。という話になっています。

ですが、まだ子供がいないことともあり、今がその時期ではないのではないか?と悩んでいます。

実際にマンションのモデルルームに行けば、確実に営業を受けるので、できれば、第三者で専門家の意見を聞いてみたいと考え、ご連絡をさせていいただきました。

恐れ入りますが何卒宜しくお願い申し上げます。

***

このような相談の概要が届きました。

まだ、マンションの購入をしようか悩んでいる。という初期の段階の様子ですね。

このような段階だと「憧れ」と「不安」とが混ざっている状態と言えるでしょう。

また、マンションを購入すべきかどうかは、結局その人の状態によって異なりますので、しっかりとインタビューでヒアリングしました。

それでは、早速インタビューと個別相談の模様をご覧ください。

個別相談スタート

マンション探偵(以下、探):はじめまして。読者相談のご連絡ありがとうございました。

山川隆さん(以下、夫):いえいえ。こちらこそありがとうございます。本当にしてくれるんですね。何か失礼ですが半信半疑だったんので。すみません。では、よろしくお願いします。

探:もちろんですよ。ただ、事前にお伝えをしております通り、お話頂いた内容は後日、確認をしてもらって問題がなければ「マンション探偵」のサイトに掲載させていただくという約束になりますが…。

まあ、その方がアドバイスの内容も多くの人に役に立ちますし、何より私も適当なことが言えないですからね(笑)ではどうぞ、よろしくお願いします。

夫:ええ、もちろん。どうぞよろしくお願いします。

探:えーそれでは、早速、相談の内容に行きましょう。

まず、そもそも、マンションの購入を言い出したのは、どちらからなんですか?

山川美由希さん(以下、妻):それは、私からです。実は私たち夫婦は元々同じ大学の同期だったんですけど、その時の友人や今の会社の同僚などがマンションを購入しだして、それで私たちもそろそろなのかな。という話になって。

夫:そうなんですよ。私と妻は同じ会社ではありませんが、私の勤めている会社でも同期の連中がマンションや一戸建てを買っていたりすると、そろそろなのかな。とは思っていまして。

探:なるほど〜。では、ご友人や同僚の方がマンションを購入しているというのがきっかけとなったということですね。

そして、マンションの検討は奥さんから言い出したけれど、ご夫婦ともにマンションの購入については、気になっていると。明確に反対しているというわけではないんですね。

夫:そうですね。

pointポイント:まず、マンションの購入を「したいのか」「反対なのか」「悩んでいるのか」をはっきりしましょう。

マンションを欲しい理由を挙げていく

探:それでは、早速、山川さんご夫婦がマンションを欲しい理由、マンションの購入で得たいメリットを考えていきましょう。まず、今、浮かぶ欲しい理由や得たいメリットはありますか?

妻:欲しい理由ですか?うーん。

探:難しく考える必要はありませんよ。例えば、ご友人がマンションを買ったので、自分も友人に自慢できるようなマンションが欲しい。なんていうのも、一つの理由ですよ。

妻:え?そんな理由でいいんですか?

探:そんな理由で全然、問題ありませんよ。もちろん「友人に自慢するためだけにマンションを買う」となると言語道断です。最終的にはしっかりと色々と検討するべきです。ですが、きっかけとして「友人に自慢する」と言うのは非難されるべき理由ではありませんよ。こういうのは、建前じゃなくて自分の心の本音の理由をちゃんと向き合って、考えていかないと結局、後悔しちゃいますよ。

例えば「友人に自慢する」というのが少し下衆ければ、「友人を呼んでホームパーティーができるようなマンションに住みたい」と言い換えれば、全く健全な理由に聞こえますしね。(笑)

妻:確かにそう聞くとすごく健全に聞こえますね(笑)

なるほど、そういう意味では友人がマンションを購入していたのは心理的に大きいですね。友人も同じ年で子供がいないけどマンションを買っている人もいますし、妊娠を機にマンションを購入した人もいるので…あと、友人から「結局、マンションを買うなら時期が早い方がいい。賃貸ならずっと賃貸と決めたほうが良い。買うなら早いうちに買った方が得。中途半端が一番良くない」って言われたのも気になっています。

探:なるほど。確かに、友人が購入しているのはきっかけとして大きいですよね。また、そのご友人の仰っている「中途半端が一番良くない」ということは正しいと思いますよ。まぁ、でも、問題は誰にも先のことがわからないっていうことなんですよね。将来のことがある程度、分かっていれば賃貸か購入か判断できますけど、わからないので難しいんですけどね。

妻:やっぱり、プロの方もそう思われるんですね。私もそんな気がしていたので…。よく雑誌やネットで「賃貸か購入かどっちが得か?」という記事がありますけど、結局どっちが得なのかなんて結論がなくて、人それぞれで変わるでしょ?」って思っていたんです!

探:まさに仰る通りですね。本当に奥さんの仰る通り、どちらも状況によって得なケースもありますしね。同じ街に30年以上住んでいれば絶対購入した方が得ですし、マンションを購入して1、2年で売却することになれば絶対賃貸の方が得ですしね。

えーと、ではその他にはどうですか?旦那さんはどうですか?

夫:そうですね。色々と考えていたんですけど、まずは「経済的に損をしたくないな」というのがありますね。

家を購入するかどうかは今のタイミングでしっかりと考えた上で、どっちにするのかを判断したい。

さっき、話に上がっていた「中途半端」にならないように、このタイミングでまずは購入するか、しないのかを判断したいです。

探:なるほど。確かにそれは重要ですね。しっかりとこのタイミングで判断できるようになっていることは大切です。

さて、その他にマンションが欲しい理由などはありますか?

夫:うーん。そうですね。あんなり浮かばないですね。

妻:うん。今のところは浮かばないですね。

Printポイント:マンションを欲しい理由がすぐに浮かぶ明確な人はあまりいません。

今、住んでいるところのデメリットや理想の住まいなどをできる限りイメージしましょう。

今、住んでいるマンションの不満を考えよう

探:なるほど。でも、まあ、なかなか浮かばないですよね。では、逆に今住んで居るところの不満を考えてみましょうか。不満は何かありますか?

妻:不満は結構あります。家賃の金額と駅からの距離を優先したので「マンションが古い」のと「部屋が少し狭い」点ですね。

夫:私はちょっと「周りの住民」が少し気になっていますね。なんか、ちょっと雰囲気が合わないというか。夜に騒いでいる人も多くて、雰囲気が好きじゃないんです。

探:色々と不満はありそうですね。まず「マンションが古い」のは、築どのくらいなんですか?

妻:えーと、多分30年くらいは経っていたと思います。内装は新しくリフォームしたみたいですけど、建物自体は古いことは古いですね。

探:なるほど。30年は確かに経年している方ですね。賃貸マンションのリフォームやリノベーションの場合は、壁紙とかキッチンとか目立つところだけってケースもあります。水回りだけリフォームで共用部分とかは古いままってこともありますからね。

妻:そうなんですよ。やっぱり、一部新しくはなっているみたいですけど、一部だけしか新しくなっていないので、結局住んでいるうちに古いところがよくわかるって言う感じです。

探:なるほど。そうなんですね。確かにリノベーション物件は意外と住み続けると古さがよくわかりますね。それとあとは「部屋が少し狭い」点。まず具体的に今の広さはどのくらいの広さなのでしょうか?

妻:広さはあんまり覚えていないけど、多分40㎡くらいの2DKになっていたと思います。

探:では、どのくらいの広さが理想とかはありますか?

妻:うーん。なかなかイメージはできないなぁ。わかる?

夫:まあ、物があふれている訳じゃないから、今の広さでもなんとかはなっているけど、やっぱり、広い方が快適には過ごせるってことなんじゃないの?

妻:うん。そういうことなんかもしれないね。オシャレな家具とかも今の家だと入らないし。そういえば、欲しい家具とかもあるから、そういう意味ではやっぱり、広い家に住みたいですね。

探:なるほど。確かに「この広さじゃないと」と不便。と言うことはなくても、ある程度広いと気持ちにも余裕が出ますし、奥さんのおっしゃる通りオシャレな家具とも買えますからね。

ちなみに、欲しい家具とかをリストアップしてみると、自動的に欲しい間取りや広さがわかりますので、オススメです。

後ほど詳しく説明をしたいと思いますが、今持っている家具で間取りを考えるのではなく、せっかくですから新しい家具で間取りを考えたり、間取りにあった家具を探すようにすることがポイントですね。

では、あとは、「周りの住民」が気になっているということですが、具体的にはどのようなことなんでしょうか?

夫:まあ、明確にあるわけじゃないんですが、ちょっと気になるというか、住民の雰囲気も良くないのと、隣の部屋の声とかもよく漏れているのが気になりますね。

探:なるほど。確かに隣の声が漏れてくるのは、ちょっと嫌ですよね。どうしても、新築マンションと比べるtp賃貸のマンションや古いマンションは壁も薄かったりしますので、不満はあるかもしれないですね。

とすると、今までの点をまとめると

(1)経済的に損をしたくない

(2)マンションが古い

(3)部屋が少し狭い

(4)周りの住民

この4つということですね。

夫:ええ、そうなりますね。

Printポイント:今、住んでいるところの不満は、小さなことでも挙げましょう。そして次はそれぞれの不満はマンションを買うことで解決できるかどうか、そして、それぞれの優先度を考えましょう。

挙げた不満はマンションの購入で解決できるのか?

探:では、それぞれ挙げた4つの点はマンションの購入で解決できるのでしょうか?それぞれ考えてみてください。

夫:うーん。まず一つ目の「経済的に損をしたくない」これは今のタイミングだとわからないな。

妻:うん。そうそう。ちょっとそこを今日は一番、聞きたいとこだよね。

探:そうですよね。では、これは後ほど、解説するとして、他の3点は解決しそうですか?

夫:えーと、二つ目が「マンションが古い」か。これは確実に解決するね。

妻:「部屋が狭い」というのは、購入するマンションによって違うよね。

夫:「周りの住民」というのも、住んでみないと判らないよね。

探:なるほど。では「経済的に損をしたくない」のと「部屋が狭い」そして「周りの住民」の点を解説していきましょう。

ちなみに、その解説に入る前にそれぞれの優先度を考えてみてください。

夫:優先度かぁ。まず一番は「経済的に損をしたくない」っていう点だよね。

妻:うん。二番目は〜。私は「マンションが古い」かな〜。

夫:僕は「周りの住民」がやっぱり気になるかも。

探:いいですね〜。夫婦で意見を一緒にしないといけないことはありませんよ。大事なのは夫婦の意見が異なることをそれぞれがちゃんと把握することです。旦那さんの方は「奥さんがここを重要と思っていたなぁ」と認識して奥さんの方は「夫はここを重視するな」とお互いがしっかりとお互いのことを把握することから始めましょう。

夫:なるほどね。確かに。じゃあ、僕は二番目が「周りの住民」で三番目に「部屋が狭い」、最後が「マンションが古い」かな。

てか、マンションを買うとしたら最後の「マンションが古い」点は自動的に解決される気がするけど(笑)

妻:確かに〜。でも、私は古いマンションっていう時点で、何かストレスを感じるから二番目が「マンションが古い」だな〜。

やっぱり、今地震も起きてるし、(編集注:相談日の前々日に「熊本地震」が発生しています)不安だなぁ。

購入したマンションが地震でダメージがあることも不安だけど、古いマンションで倒壊しちゃったら、どうしようもないし。

それだったら、少しでもしっかりしたマンションがいいと思うんだよね。

三番目は「部屋が狭い」で最後が「周りの住民」かな。

探:なるほど。結構いい感じで分かれていますね。では、まずはお二人が最も重要と考えている「経済的に損をしたくない」について話していきましょうか。

Printポイント1:本文中にも答えが出ていますが、このように夫婦で考えている点の優先度をお互いに話し合うことはとても重要ですが、意外と優先度まで話していないケースが多いでしょう。

このように優先度をしっかりと考えていくことで、もし判断に迷ってもお互いのうちで優先度の高い方の意見を採用してあげるともめることも最小限に抑えられるのです。

Printポイント2:建築の基準が大地震を経る毎に改訂して、より基準が上がっています。

そのため、基本的には新しいマンションになればなるほど地震への安全性は高いと言えます。詳しくは「【地震保険】大震災が起きてマンションが損傷したらどうなるの?」(本サイトリンク)にも解説をしていますので、ぜひこちらもご覧ください。

経済的に損したくない!という人のマンション選び

探:では、まず最初で一番大事な「経済的に損したくない!」という点について、考えてみましょうか。

まずは、本題に入る前に少し例え話から始めますね。例えば、料理屋に入ったとして「同じ金額でワンランク上の料理を食べられる」のと「同じランクの食事がワンランク下の価格で食べられる」どっちの方がいいでしょうか?

妻:うーん。せっかく、外で料理を食べるならランクが上がる方がいいんじゃない。

夫:いや、料理屋って言っても、どんなシチュエーションなのか、とかにもよるから一概には言えないでしょ。まあ、僕ならとりあえず答えると、どうせなら同じものを安く食べられた方がいいと思うけどね。

探:なるほど。流石ですね。旦那さんの仰る通りで確かにどんなシチュエーションなのかによって異なりますよね。

例えば、結婚記念日だったら?「ワンランク上の料理」の方がいいかもしれません。

或いは、ただの日常の昼飯で早く食べ終わりたい場合には「同じものを安く食べられる」方がいいかもしれないですよね。

ちなみに、実はこれってマンションの購入の「経済的に損したくない!」という点にも当てはまるんですよ。

妻:え?どういうこと?。

夫:あ〜なんとなくはわかりました。

探:旦那さん、鋭いですね。では、旦那さん、解説をお願いします。

夫:え〜、合っているかわからないですけど(笑)「経済的に損したくない」にも種類があって「家を重視したい人はマンションを買って、家を重視しない人は賃貸」ってことかな〜。

探:流石ですね。本当にいい本質を突いていると思います。

旦那さんが仰っている内容でも良いのですが、ここではもう少し話を広げるために、もう少し「経済的」という点に重点を置くとこのように分けた方がわかりやすいかもしれないですね。

私なりの答えとしては旦那さんの仰る通り「経済的に損したくない」にも種類があって「大きな金額の損を絶対にしたくない人(リスクゼロ主義)」と「多少のリスクを踏まえてでも、計画的に利益・得を得たい人(リスクテイカー)」がいるということです。

妻:うーん。ちょっとわかりづらいかも。

探:大丈夫ですよ。ここからもう少し、わかりやすく解説をしていきますので。

先ほど説明した二つのタイプは人それぞれ考え方が違うので、どちらが正しいとかっていうことはありません。

それぞれ、自分にあったタイプは自動的に決まると言えます。

そして、それぞれのポイントを簡単に説明をすると一つ目は「大きな金額の損を絶対にしたくない人」は賃貸タイプだと思ってください。

もし、「将来家を売る可能性や大きな損をする可能性を避けたいのであれば、そもそも大きな買い物をしなければいいでしょ。」ってことです。

実際に、家を購入してしまうと万が一、何かトラブルや大きな出来事が起きて家を売らないといけなくなった場合、最悪で数百万円ほど、損をしてしまう可能性があります。

これが賃貸であれば、最悪のことが起きても引越し代や敷金、礼金などで解決するので、数十万円の損で済みます。

だから、「大きな金額の損を絶対にしたくない人」は賃貸の方がいいですよね?

妻:確かに、それはそうですね。

夫:うん。そうだね。

探:ありがとうございます。では、次に二つ目の「多少のリスクを踏まえてでも、計画的に利益・得を得たい人(リスクテイカー)」の方を考えましょう。

これは先ほどとは逆で例えば「トラブルなく15年同じところに住んだとすれば、同じくらいの賃貸であれば、家賃は「*万円」くらいだから、ほぼ家の値段と釣り合う。逆に15年を越えればそれ以降は、税金の管理・積立金を払えばいいだけだから、徐々に得してくるから15年以上住めるようにすればいいじゃないか

と発想するタイプです。リスクテイカー=つまりリスクを積極的にテイク(取る)ことによって利益を得ようとする人ですね。

イメージできましたか?

妻:なるほど〜。できたと思います。

夫:うん。イメージできました。

探:良かったです。では、それぞれ山川さんご夫婦がどちらなのかを考えて欲しいのですが、実は私はご夫婦がどちらなのか、察しはついています。

妻:え?そうなんですか?私はまだ自分がどっちなのか考えられていないのに…

夫:僕はもう自分がどっちなのか分かりましたよ。でも、プロがどちらに思われたのか気になるので、先に教えて欲しいですね(笑)

探:(笑)ええ、では私の感じたことをそのままお伝えをすると、程度の差はあると思いますがご夫婦共にリスクテイカー。つまり「多少のリスクを踏まえてでも、計画的に利益・得を得ようと考えられる人」だと思います。

妻:うーん。まあ、そう言われれば、そんな気がします。

夫:確かにそうですね。僕もそう思っていました。でも、僕は安易にリスクを取るというよりは慎重に検討した上で、良いと判断できればリスクを取るという感じですね。

探:そのあたりの程度はやはり差があると思いますよ。リスクテイカーと言えど当然、好き好んで損をしたい人なんていませんからね(笑)

夫:ちなみに、なぜ私たち夫婦がリスクテイカーと思ったんですか?

妻:確かに、気になります。

探:それは簡単です。「大きな金額の損を絶対にしたくない人」は本当に「リスクゼロ」じゃないと不安に思うんです。

山川さんご夫婦から、お話をお伺いしている中で「リスクを絶対に避けたい」という印象を受けなかったからですね。

あと、「リスクを絶対に避けたい」人は「できるだけ安全」というのが選択する上で重要な点なので、「自分から進んで家を購入した方がいいのではないか?」なんて考えません。

そのような人が家を購入するきっかけは「両親から言われた」とかくらいでしょう。

山川さんご夫婦は「家を購入した方が有利じゃないか?」と思われて、今検討されているので少なくとも(リスクゼロ主義)ではないと思いますよ。

夫:確かに。つまり私たちがここにいる時点で少なくともリスクテイカーではあるんですね。なるほど。

探:そういうことです。家を購入することはある意味で投資です。あとは、自分たちが今投資をすべきかどうかをチェックすればいいと考えるのがリスクテイカーということですね。

Print貴方は「大きな金額の損を絶対にしたくない人(リスクゼロ主義)」なのか「多少のリスクを踏まえてでも、計画的に利益・得を得たい人(リスクテイカー)」なのか、考えてみましょう。

人生設計を立ててみる

探:では、次に人生設計を立てていきましょう。

と言っても、マンションを購入するかどうかを判断するときに、すごく細かい人生設計は必要ありません。

もちろん、細かくあった方がいいに越したことはないですけどね。

そんなものがある人の方が少ないので、それを待っていては判断できません。

大きくまとめてみるとこれから説明する3つの質問にすべてOKであれば家を買うべき、一つでも気になる点があれば、買うべきでないか、条件付きで探すということになります。

ここまで、大丈夫ですか。

夫・妻:大丈夫です。

探:では、3つの質問をまず、先に全部お伝えをしちゃいますね。

一つ目は「今の住みたい街にどのくらい住みたいのか?

二つ目は「お金の面で、マンションを買ってもいいのかをチェック

そして、最後の三つ目が「子供などの家族計画、世帯収入、親の面倒、どこまで考えるのか

結局、この三つの質問に集約できます。

夫:うーん、なるほどねー。「どのくらい住むのか」と「お金の問題」後は「両親とか子供か」まあ、この3つがある程度分かれば確かに決められるなぁ。

でも、それが分からないから悩んでるんですよ(笑)

探:ですよね。でも、分からないで終わってしまってはダメですよ。分からないことでも、分からないなりに思考することが大事です。

そして、思考した後は最後に「このリスクをとるかどうか」を判断するだけです。

結局のところ全員に当てはまる簡単なアドバイスなんて無くて人それぞれです。

特に家を買うなんて、難しいもの誰にも分からないですよ。分からないなりに分析して検討して、最後に判断するんですね。

これって全然特殊なことでも何でも無くて、世の中のものはそうなっています。例えば、ビジネスでも一緒です。どの会社も絶対に利益が出るって思ってやってる会社なんてほとんどなくて、最後は「決め」の問題ですよ。

夫:まあ、そうですね。

妻:うーん。じゃあ、結局どうやって判断すればいいの?

探:いい質問ですね。それでは早速、一つ目から見ていきましょうか。えーと一つ目は・・・

一つは「今の住みたい街にどのくらい住みたいのか?」

探:これってどうです?ポイントとしては例えば、「お互いの実家がどこか」後は「転勤はあるのか」それと意外なところでは「転職の予定は?」という点でしょうか。

夫:お互い実家は関西だから、それは問題ないね。転勤もほとんどないと思う。

妻:そうなの?大丈夫?

夫:まあ、同じ関西で異動とかはあるだろうけど、関西本社の会社だし、そこは大丈夫だと思う。

妻:私は一般職だからその辺も大丈夫かな。

夫:転職は…まあ、したとしても関西からは離れないでしょ。

探:と言うことは、これからもずっと同じ場所に住み続けるイメージですか?

夫:そうなりますね。

妻:ええ、多分、夫が変わらなければずっとそうだと思います。

探:では、一つ目はクリアですね。ちなみに、条件によっても異なりますが目安として15年〜くらい一箇所に住み続けるのであれば、持ち家の方が得になってくるラインと言えますね。

夫:へ〜そうなんですね。

妻:15年かぁ。短いようで長いような気がするなぁ。それくらいならどうなんだろう。

探:でも、15年は目安ですよ。ですから、もちろん、条件によって異なりますので、注意してくださいね。

でも、一般的なマンションの場合、場所を考慮すれば残存価格は残りますので、15年くらい前は賃貸が有利で、15年を過ぎて徐々に持ち家が有利になってくるイメージですね。

ちなみに、この計算の根拠は”同じような品質の新築マンションと賃貸とを比較した場合”というイメージです。

Printポイント:一箇所にどのくらい済むのかは持家になるかどうかの重要な指標です。極論、これから生涯ずっと同じ場所に住み続けるのであれば、絶対に不動産を購入したほうが得なのです。

ちなみに、ここで挙げた「15年」と言うのは「15年間そこに住み、15年後に売却して損をしない水準」ということで目安としています。実際の数値は購入するマンションなどによって大きく異なるので注意が必要です。

 

では続いて、

二つ目「お金の面で、マンションを買ってもいいのかをチェック」

これをチェックしましょう。

夫:そうですね。でもどうやってチェックすればいいんでしょうか?

探:ポイントは「今、借金があるか」「世帯収入はどのくらいあるのか」「貯金はどのくらいあるのか」「日々の生活費はどのくらいかかっているのか」という点でそれぞれチェックしていくイメージですね。

妻:そうなんですね。

夫:なるほど〜。じゃあ、早速チェックしていきましょうか。えーとまず「今、借金があるか」という点だけど、借金は何もしていないね。

妻:うん。そうですね〜。

探:なるほど〜。ちなみに例えば「車をローンで購入している」とかもここでは借金の一つとして考えてくださいね。車のローンとか他にもローンなどは大丈夫ですか?

夫:ええ。それもしていません。

探:わかりました。あとは、今までの借金していて完済したものとかはありますか?

夫:えーと、今まで借金したか?ってことですよね。それもしていませんよ。

妻:私もしていないです。

探:では、次は「世帯収入はどのくらいあるのか」という点ですね。おおよそでいいので、ざっくりとした金額を教えてもらえますか?

夫:あ〜、構いませんよ。えーと月額面で30万円くらいで賞与があるから、年収でいうと450万くらいですかね。

探:なるほど、それは額面で450万ということですかね。

夫:そうです。額面ですね。

探:では、次は奥さんの年収はどうですか?

妻:私は一般職なので、200万円くらいです。額面ですね。

探:そうなんですね。ありがとうございます。では世帯収入という意味では650万円ということになりますね。

では、次は「貯金はどのくらいあるのか」という点ですね。

夫:これは、ちょっとお恥ずかしながら、あんまりなくて200万円くらいですね。

妻:そうなんですよ。最近、結婚式を挙げたのと新婚旅行にも行ったので、ちょっと貯金を使ってしまったので…。

探:なるほど〜。そうですよね。実際、結婚などを機にマンションの購入を検討し始める人が多いので、山川さんご夫婦だけじゃなく、他の人も貯金が減ってしまっているタイミングというのは多いので、あまり心配しなくても大丈夫ですよ。

ちなみに、この貯金というのは何か使う予定などはあるのですか?

夫:いや、一応、何かあった時のためにということで貯めています。だから、もしマンションを買うとすればマンションの頭金に使おうかとも思っていました。

探:そういうことですね。まさにマンションの頭金に使えるかどうかは聞きたかった点です。

では最後の点が「日々の生活費はどのくらいかかっているのか」という点ですね。これはどうですか?

妻:えーと、これは主人の給料で毎月やりくりして、私の給料は全額貯金するというルールでやっています。

だいたい、だから月に25万円くらいでやりくりしている感じですね。

探:わかりました。家賃も込みってことですよね。できれば簡単な内訳も教えてもらえますか?

妻:えーと、ちょっと待ってくださいね。今、計算をしてみると…

(以下にまとめましたので、そちらをご覧ください。)

<山川家の生活費>

家賃 9万円
食費(外食費含む) 5万円
光熱費 2万円
被服費 3万円
通信費 2万円
お小遣い(二人分) 4万円
合計 25万円

探:これで、家計の支出のおおよその金額がわかりましたね。

では簡単に、今までの項目をホワイトボードを使ってまとめてみましょうか。

<今、借金があるか>

今の借金なし。借金歴もなし。

<世帯収入はどのくらいあるのか>

夫:450万・妻:200万

<貯金はどのくらいあるのか>

200万円程度

<日々の生活費はどのくらいかかっているのか>

月25万円

 

探:このような感じになりますね。

これをマンションの購入にあたっての評価をしてみるとこんな感じになります。

「借金がなく、年齢、世帯収入もマンションの購入の問題ないと言えます。

一つ気になる点としては、マンションの頭金としては、もう少し貯金が欲しいと言えます。

今の金額だと全額入れても諸費用程度になってしまうため、フルローンになってしまうため、焦って購入するのではなく、徐々に貯金をしながら良いタイミングでマンションを購入することが良い。

その点では、貯金もできているため、問題はないと言えるでしょう」

という具合でしょうか。

夫:なるほどね〜。やっぱり貯金の金額的には少し足りないよなぁ〜。

妻:うん、やっぱりそうだね

探:「まあ、想定通り」っていう感じですか?でも、貯金の点以外は一切、問題ないと言えますよ。

そして、日々のやりくりの中でちゃんと毎月貯金もちゃんとできているわけですし。

夫:なんか、そういう風に言ってもらえると安心しますね。やっぱり、第三者にそういう風に判断してもらえるのは心強いですね。

Printポイント:このように収入と支出、借金とをそれぞれ挙げていきましょう。

明確にどうなれば、マンションを買えないという基準があるわけではなりません。

しかし、自分たちの資産や負債、収入・支出などしっかりと把握をしておくことが大事と言えます。

 

三つ目「子供などの家族計画、世帯収入、親の面倒、どこまで考えるのか

探:そして、最後に3つ目の「子供などの家族計画、世帯収入、親の面倒、どこまで考えるのか」という点を考えてみましょう。

この点を踏まえて、最終的にマンションを購入しても良いのか、そのリスクがどれほどのものなのかを把握できるようになります。

ここで確認をしておきたいポイントとしては「子供の人数や将来の計画はどのように考えているのか?」「収入・仕事などはこれからどうなる予定か」「親の実家や親の面倒などはどうなるのか」「マンションを購入するとしたら親からの支援はあるのか」「その他、何か将来の点で計画しておくことはあるのか?」という点でそれぞれチェックしましょう。

夫:なるほど〜。何か色々と質問の事項が多いんですね。

探:とは言っても全て当たり前のことですよ。何も珍しくはありません。

しかし、意外と一つ一つを気にすることはあっても、全てを総合的に踏まえて判断することってあんまりないんじゃないですか?

大事なことは一つの事柄で一喜一憂するのではなく、色々全部踏まえて考えること。これに尽きるんですよ。

妻:確かにそう言われれば、一つ一つの記事はよく見るけど、こんなに色々項目があるものは見たことがないかも。

探:まあ、そうですよね。やっぱり、あんまり長い記事とかだと皆見ないんですよねー。皆スマホで空き時間に見るので、スマホ用に簡単な記事になっているのが多いんでしょうね。

でも、本当はマンションの購入ってとても難しくて重要なことのはずなんです。でも、実際は簡単な記事って多いじゃないですか。

この「マンション探偵」は「100人に対してそんなに役に立たない記事」じゃなくて「少なくても良いので1人の人に対してとても役に立つ記事」を送りたいなと。

なので、このインタビューも凄いボリュームになると思いますよ(笑)だって、この山川さんご夫婦のインタビューは役に立つと思いますので。

夫:そうでしょうね。お世辞抜きで今の時点でも私たちも役に立ちそうな感じがしていますので。良くあるネットの記事じゃなくて本物って感じがします。それに、私たちの考えていることや悩んでいることは別に特殊なケースではなく、むしろとてもオーソドックスなケースだと思いますので、そういう意味でも多くの人に役立つでしょうね。

妻:でも、ちょっと恥ずかしいというか。変な感じもしますね。(笑)

探:まあ、個人情報がわかるようにはしませんので、安心してくださいね。(笑)

では、改めて、本筋に話を戻しましょう。

それぞれ、確認をしたい点をまとめていきましょうか。

まずはできる範囲で考えてみてくださいね。

夫:わかりました。じゃあ、とりあえず考えてみるか。

子供の人数や将来の計画はどのように考えているのか? 子供は2人位。時期は未定。
収入・仕事などはこれからどうなる予定か 夫はこのままの仕事を続ける。妻は出産後、時短で復帰?
親の実家や親の面倒などはどうなるのか 実家はお互い近くお互いの両親は元気なので心配なし。
マンションを購入するとしたら親からの支援はあるのか 多分なし。
その他、何か将来の点で計画しておくことはあるのか? 特になし。

夫:うーん。とりあえず、こんな感じでしょうか。

探:なるほど。ありがとうございます。

子供の人数や将来の計画はどのように考えているのか?

では、一つずつ見ていきましょうかね。まずは「子供の人数や将来の計画はどのように考えているのか?」という点ですね。

これは「子供は2人位。時期は未定。」となっています。

夫:まあ、悩んだんですが、僕も妻もお互い兄弟がいるので、だからできれば、兄弟がいた方がいいじゃないかという位の理由です。

探:なるほど。ここでポイントとなるのは当然「子供部屋の数をどうするのか?」という点ですね。

今の時点で時期は未定ということは、妊娠して出産〜その後、子供たちが自分の部屋が必要になるまで約10年近くかかります。

あるいは、子供が2人と想定していたが、「2人目の子供が双子のため、3人になってしまった」なんてこともよくあります。

夫:うーん。まあ、ありえますよね。

妻:じゃあ、まだマンションを買うのは早いってことなのかな?

探:まあ、そう思いますよね。。でも、例えば、10年後にマンションを買うとしたらその時はもう40歳近くになっていますよね。

35年ローンなんて組んだら75歳になりますから、35年ローンはなかなか組めません。完済時の年齢を制限しているケースが多いんですよ。その制限は銀行などによって80歳とか75歳とか70歳など幅はあるようですが。

それに、10年間同じ場所に住むのに家賃を払い続けるだけだとご友人が仰っていた「中途半端」になってしまうかもしれませんね。

夫:うーん。まあ、話はわかるんだけど…じゃあ、どうすればいいんだろう。

妻:本当、難しいね。どうしたらいいんですか?

探:結局のところ、未来のことなんて誰にもわかりませんよ。でも安心してください。

未来が分からなくても未来を想定して備えることはできるのです。そして、そのリスクが嫌であれば「リスクを避ける」つまり「マンションを買わない」という選択肢もあるのです。

妻:確かに。なんか少し安心しました。

夫:なるほど。まあ、そりゃそうですよね。でも具体的にどうやって備えるんですか?

探:具体的なアドバイスをすると少しシンプルで拍子抜けしちゃいますが以下のような感じです。

  1. 予め子供の人数の想定を決めておき、その間取りに合うマンションを買う。
  2. 今のタイミングでは「売りやすい」「価格の安い」マンションを購入。子供部屋が必要になったタイミングで売却して「新たに購入」する。
  3. (2)と途中まで同じ。「売りやすい」「価格の安い」マンションを購入〜売却。その後子供部屋がいる期間だけ「賃貸」で子供が独立した後に再度、「売りやすい」「価格の安い」マンションを購入。
  4. そもそも、マンションを購入しない。

こんな感じですね。他にも浮かぶあるかもしれないですけど、一旦こんな感じです。意外と普通でしょ(笑)

夫:確かに普通な気がしますね。挙げてもらった選択肢の「3」はなかなか難しそうですが。

妻:そうだね。賃貸にするなら「2」みたいに購入した方がいいんじゃないかな〜。

探:もちろん「2」の購入もアリですよ。でも意外と子供が独立した後に広い家って意味がないだけじゃなくて、掃除も大変とか、デメリットもあるので、子供が独立したお金を持っている夫婦なんかは都市部に1LDK・2LDKのマンションを購入していたりもしますよ。

実際、子供部屋が必要な期間も10年程度ですから。

夫:なるほど〜。でも今のタイミングで「2」なのか「3」なのかは決めなくてもいいんじゃない?

それこそ、10年後に子供部屋が必要になったタイミングで「購入」か「賃貸」かを判断すればいいだけであって。

探:旦那さん鋭いですね。おっしゃる通りです。今のタイミングで「1」なのか「2or3」か「4」なのかを判断すれば良いのです。

妻:ふーん。これなら決められそうだね。

夫:確かに。今すぐには答えは出ないですが、相談して決めれそうな気がします。

探:ぜひ、しっかりと検討してみてくださいね。ちなみに、「1」なのか「2or3」なのかによって、当然オススメの物件が変わりますので、注意してくださいね。

夫:わかりました。あと、ちょっと話が変わりますが、なんだかマンションの検討の仕方が少しわかってきました。この将来の子供の人数とかでも確かに答えを聞くと拍子抜けしますね。

でも、こうやってリスクに踊らされてビビってしまって悩むんじゃなくてリスクを検討して判断するってこういう事が大事なんですね。

妻:え〜と。どういう事?

夫:例えばね。今までだと、例えばさっきの例だと「将来の子供の人数は分からない。もしかしたら双子や三つ子になると人生設計が変わるのはリスクだからマンションを買うのはリスク!」て言われて、「確かにな〜」って感じで悩んでいたじゃない?僕たち。

でも、そこで悩んで終わるんじゃなくて、今回のようにリスクに対抗する選択肢を考えて「リスクと戦う」のと「リスクを避ける選択肢」を比較して最終的に判断すればいいってことだよ。

妻:う〜んと。つまりあんまり「リスクって言われて怖がるだけじゃなくて、対抗策も考える」ってこと。

夫:まあ、そう言われてみればそうだね。なんか、当たり前の事のようだけど大切な事のような気がするよ。

探:まさに私も旦那さんの仰っている通りだと思います。

大切なことや役立つことって意外と正論なので言われてみれば「当たり前じゃん」と思ってしまいがちなんですが、それってまだそのことの表面的なことしか理解できていないんですよね。

それを自分の頭の中で本当に理解できることが大事です。

例えば、プロのスポーツ選手がインタビューとかで話していることもほとんど「当たり前のこと」ばかりですからね。

Printここで挙げた選択肢のように自分がどの選択肢を取りたいのかを考えてみましょう。

どれが正しいのかなどはありません。また、リスクがあるからダメということでもありません。

リスクがあったとしても、そのリスクをしっかりと把握して、判断をすれば良いのです。

収入・仕事などはこれからどうなる予定か

探:では、次に「収入・仕事などはこれからどうなる予定か」を確認しましょう。

これは「夫はこのままの仕事を続ける。妻は出産後、時短で復帰?」と答えてくれていますね。

夫:ええ。私はこのままで年収も少しは上がるでしょうけど、あんまり上がり幅は期待していません。

妻は今の職場が結構理解があるみたいなので、時短で復帰できるなら復帰したいなと。その分給料は少し下がるでしょうけど。

探:なるほど。それであれば、問題は無いでしょう。ポイントとしては今の年収だけでなく、将来の年収もしっかりと検討するべきということですね。

特に例えば、今の年収が高い人なんかは相当意識しないといけません。例えば、年収1000万円以上の人とかは羨ましいですけど、以外と危険なんですよ。

年収も高いので、いいマンションに住みたいって思いがちなんですが、万が一会社が倒産したり転職しなければならなくなると一気にライフプランが崩れちゃうので。

Printポイント:収入が大きく下がる可能性があるのであれば要注意です。また、現時点で年収が高いサラリーマンの人も注意して欲しい。

医師など他に転職をしても収入が高いのであれば、心配はあまり必要ないのですが、現職で評価されているために年収が高いor今の会社が年収の水準が高いため年収が高いという人はマンションの購入においては、将来の年収ダウンを前提として計画してください。

これからの将来の年収の高さは「優秀さと直結しない」と考えるべきです。

親の実家や親の面倒などはどうなるのか

探:次の「親の実家や親の面倒などはどうなるのか」に行きましょう。

「実家はお互い近くお互いの両親は元気なので心配なし。」ということですね。

元気なことはいいことです。ちなみにどのくらい近いんですか?

妻:お互いの実家は今住んでいる所から車で30分くらいの範囲ですね。私の実家が**で、主人の実家が**です。

探:なるほど。これは心強いですね。子供が小さい間などはかなり助けになることが多いので、サポートを得られるご実家の近くに住むことはとても重要です。

もし、場所に悩まれているのであれば、実家をベースに考えても良いでしょう。

比較的、毎日サポートしてもらえるのは、「スープの冷めない距離」と言われている徒歩20分位が目安になります。

また、何かあった時に頼りになると言えば車で20分〜30分くらいまでの距離だと頼みやすいと言えます。

もちろん、ご実家が車をお持ちかどうかなどによっても、距離感覚は変わりますが、目安にはなるでしょう。

Printポイント:実家との距離はとにかく奥さんの意見をまずは尊重すること、しっかりと聞くことを心がけましょう。

これは必ずしも奥さん側の実家に近い方にすべきということではありません。まずは「意見をしっかりと聞く」ようにするということです。そして、奥さんの方はちゃんと意見を言うようにしてください。

ある程度マンションの購入の話が進んでから「やっぱり夫の実家に近いのは抵抗がある…」と言われるとトラブルの元です。

マンションを購入するとしたら親からの支援はあるのか

探:では、次の「マンションを購入するとしたら親からの支援はあるのか」ですが「多分なし。」とお答えになっていますね。

これは実際にご両親相談はされたのですか?

妻:いえ、まだしていませんが、勝手に多分期待はできないだろうと思ったんです。

探:もちろん、勝手に頼りにして計画にしてしまうと良くありません。

ですが、意外と相談すると数百万円を援助してくれるというケースもあるのです。

ただ、逆に相談をせずにマンションの購入の話を進めてしまうと、トラブルにもなりかねません。

支援をしてもらえる可能性とトラブルにならないようにするためにも、両家に購入しようと検討し出したタイミングで「マンションを買おうと思うんだけど〜」と相談することが重要です。

事後報告にはならないようにしてくださいね。

妻:なるほど。確かに、どのタイミングで報告をすればいいのかはわからなかったので、参考になります。

お金の相談ということで実家へ行くのはちょっと気が引くけれど、トラブル予防のためにマンションを買うかどうか事前に相談をしておくと考えると、考えやすいです。

Print実際に実家へ相談に行く前に夫婦間でしっかりと相談をしておくことが大事です。

その他、何か将来の点で計画しておくことはあるのか?

探:そして、最後に「その他、何か将来の点で計画しておくことはあるのか?」という点ですね。

これは「特になし。」となっていますね。

夫:まあ、そうなんですがあまり浮かばなかった感じですね。

実際に他の人などはどんなことを計画しているんですか?

探:これは人それぞれですが、本当に色々なことがありますよ。

例えば、将来の出費系。例えば結婚式や新婚旅行などある程度金額が必要な出費のイベント。

次に仕事系。転勤や転職、起業などの可能性など。

それ以外にも人それぞれです。例えば大きな声では言えませんが「相続」という人もいますよ。

実際、相続によって資産を引き継げばマンションの購入条件も大きく変わるでしょうしね。土地を引き継げがマンションじゃなくて戸建てを建てるということも選択肢に入りますし、もちろん、その土地を売ることも選択肢の一つになりますね。

妻:本当に色々あるんですね〜。

でも、そういう意味では、私たちは特に何もなさそうですね。(笑)

探:わかりました。では総括に入りましょうか。

Printここまでが「(1)経済的に損をしたくない」のインタビューです。

本インタビューをご覧の貴方もここまでをもう一度、振り返って感想などを考えてみましょう。

(1)経済的に損をしたくないのまとめ

探:ということで、ここまでが山川さんご夫婦が最も重要と考えていた「経済的に損をしたくない」という点を解説を交えながら話をしてきましたが、ここまで振り返ってみてどうでしたか?

夫:そういえばそうでしたね。色々な話をしたので、元々の話を忘れていましたね。(笑)

妻:本当、忘れてました。でも「経済的に損をしたくない」という一つのことを考えるだけで、こんなに沢山のことを考えないといけないんですね。そういう意味では今は驚いています。

夫:でも、全体の流れとかは、ある程度掴めたように思うので、良かったです。

探:良かったです。ところで、疑問点や確認事項などはありますか?

夫:それは特に大丈夫です。

妻:私も大丈夫です。とてもわかりやすかったので。

探:それはありがとうございます。

では、次に上がっていた点としては(2)マンションが古いという点がありましたが、こちらは新しいマンションを購入すれば解決するので、飛ばしますね。

では、次の(3)部屋が少し狭いという点ですね。

(3)部屋が少し狭い

探:今が確か40㎡くらいの広さの部屋でしたっけ?

夫:ええ。それくらいになると思います。

探:それであれば、マンションを購入すれば広さは広くなるでしょうね。

というのも、住宅ローンの減税の対象は延べ床面積が50平米以上と決まっています。(参考:財務相HP

「延べ床面積」ということもポイントなのですが、ここでは余り難しく考える必要はなく「住宅ローンを適用させるには最低限の広さが必要」とだけ覚えておけば大丈夫でしょう。

夫:そんなポイントもあるのですね。知りませんでした。

探:ええ、ただ山川さんご夫婦だと50平米は越えると思いますが、注意してくださいね。

あとは、広さという意味では、先ほど「将来の子供」の件を考えましたが、その点と関わってきますね。

実際に考えてみましょう。

先ほど、挙げた選択肢の4つはこのようになっていますよね。

  1. 予め子供の人数の想定を決めておき、その間取りに合うマンションを買う。
  2. 今のタイミングでは「売りやすい」「価格の安い」マンションを購入。子供部屋が必要になったタイミングで売却して「新たに購入」する。
  3. (2)と途中まで同じ。「売りやすい」「価格の安い」マンションを購入〜売却。その後子供部屋がいる期間だけ「賃貸」で子供が独立した後に再度、「売りやすい」「価格の安い」マンションを購入。
  4. そもそも、マンションを購入しない。

もちろん、広さ以外にもポイントはありますが、それぞれ、広さを考えてみましょう。

「1」の場合は最低でも70㎡以上・3LDKになるでしょう。これ以上と考えると郊外に行かないとまず実現できません。

「2or3」の場合は逆に50㎡以上と最小限でも良いのではないでしょうか?ポイントは売りやすさになるはずですので、都心部でしょうね。

「4」の場合は結局、賃貸ということになりますので、最初は「50㎡くらい」子供が大きくなるにつれて「70㎡以上」というイメージでしょうかね。

夫:なるほど〜。まあ、そんな感じでしょうね。

妻:こうして広さもケース毎に分けるとイメージしやすいですね。

漠然と広さは考えられていなかったんで、参考になります。

夫:確かにね。やっぱ「広ければ広いほうがいい」だけど「広ければ高い」って思っていて、そこで止まっていたね。

だからどのくらいの広さがいいのか?って聞かれても、「今より広いのが最低条件」としか答えられなかった。

だから、この数字はとても参考になりますね。

探:良かったです。ちなみに、今のタイミングで先ほどの「1」なのか「2or3」なのか、あるいは「4」なのか答えは出ていますか?

夫:僕はまだ、しっかりと検討できていないけれど今のところは「2or3」の選択肢が気になっている。

妻:そうなんだ。私はやっぱりちょっと難しいかなって思っていて「1」の方がリスクが少ない気がするんだけど

Printここで挙げた広さは目安であり、その人の状況によっても異なります。

できれば、選択肢ごとにそれぞれに自分たちが必要な広さを挙げていくことが重要といえるでしょう。

最初から子供部屋は必要か、子供部屋が必要になってから買い直すか?

探:なるほど〜。いい感じでここは別れましたね。

とりあえず、「4」の賃貸という選択肢はないということですね。

夫:それはないと思いますよ。ただ、すぐに買うというわけじゃないけど。

妻:私は多分、という感じですが…こんな感じで別れたんですけど、プロの意見を聞いてみたいです。

探:私も問題ないと思いますよ。ここまで挙げていただいた条件や状況を確認する限り大きなリスクはありませんので、購入は前向きにされてもいいんじゃないかと思います。

妻:よかったぁ〜。

夫:でも、問題は「1」なのか「2or3」という点です。意見が分かれてしまいましたが、どうすればいいのでしょうか?

探:これは、すぐに答えが出るものではありませんからねぇ〜。

方法としてはお互いに「なぜそれを選んだのか」そして逆の選択肢を「なぜ選ばなかったのか」を話していくのが一番の近道ですよ。

夫:確かに。じゃあ、僕から話そう。

まず、選んだ理由は最初は小さい部屋を購入してその後、大きい家を買うのか賃貸にするのか。という点でとても合理的で無駄がないと思ったんだ。

あとは、最初に小さい部屋を買うから最初の住宅ローンの金額が少なくて済むだろ?住宅ローンって言っても結局は借金だし。そういう意味では借金は極力少ない方がいいと思ったんだ。

約10年間も無駄なスペースにお金を払って買いたくないというのが選ばなかった理由かな。

探:なるほど〜。鋭い意見ですね。当初、住宅ローンを借りる金額が少なくて済むというのはとてもいい点ですね。

では、奥さんの方はどうでしょうか?

妻:う〜ん。そこまでしっかりと考え切れたわけじゃないんですけど・・・

探:大丈夫ですよ。まずは感じたことをそのまま言うことが大事です。

妻:そうですか?

じゃあ、え〜と。「2or3」の方が確かに無駄が無さそうですけど、10年後とかに本当に売れるのか?が不安だったのが大きいです。

10年後に再度、購入するのか賃貸にするのか。と言われても、そのマンションが売れないと意味がないので、そこが一番不安なんです。

それと、確かに子供が小さいうちは「子供部屋」としてはムダなスペースだけど、「おもちゃ」「遊具」「おむつ」とか色々と物が増えて大変って聞いたことがあるので、その部屋はムダにはならないと思ったんです。

探:なるほど〜。奥さんらしい、実用的な観点ですね。

こちらも仰る通りで、子供が小さいうちは「子供部屋」ではなく一緒に遊ぶ「プレイングルーム」として子供部屋を活用するケースが多いようですね。

室内用の滑り台とか、なかなか置けないですからね。

あと、不安に思われていた「10年後に本当に売れるのか?」ですが、これは逆に考えて「10年後に売れるマンションを買う」というように考えるといいですよ。

実際に売りやすいマンションと売りにくいマンションはあります。

「2or3」の選択肢を選ぶ際には必ず「次に売りやすいマンション」であることを最重要の項目に上げることで解決はできますよ。

ただ、代わりに「広さ」や「実家からの近さ」などが満たせなくなる可能性が上がりますが…

妻:そうなんですね。間違えていなかったみたいで安心しました。

夫:やっぱり、これもどちらが正解とかっていう問題じゃないんでしょうね。

探:結局、そうなりますね。

ただ「うまくいけば」という前提になりますが一番得する可能性があるのは「2or3」の選択肢でしょうね。

なんといっても、都心部のマンションは価格が下がりにくいので、10年後でも十分に価格はつきます。

また、住宅ローン減税の期間も10年なので、ちょうどその期間も利益を得られるのも大きいですね。

ただ、奥さんの指摘された子供が小さいうちの物置や遊び場として使うことができなかったり、「実家からの近さ」が無くなってしまうのがデメリットですね。

夫:なるほど。難しいですが、よくわかりました。

この点は私たちだけじゃなく、両方の実家も交えて話していくと良さそうな気がします。

妻:確かにそうね。ここまで、話がまとまれば後は色々と意見を聞けそう。

探:それは、とても良いんじゃないでしょうか。色々と両家を交えると大変なこともあると思いますが、頑張ってくださいね。

Printライフステージに応じて必要な家の広さは異なります。そのライフステージ毎にマンションを購入するのは難易度が非常に高いのですが、今までの日本ではあまり一般的な価値観ではなかったのですが、新しい価値観としてぜひ検討はして欲しいです。

その上で「違うな」と思われれば、別の選択肢を選べば良いでしょう。

(4)周りの住民はどうか?

探:さて、これが最後になりますが「(4)周りの住民はどうか?」という点ですね。

確かこの点は旦那さんがかなり気にされていた点でしたね。

夫:ええ。お恥ずかしながら…

探:いえいえ。恥ずかしいことじゃないですよ。ちなみに、この点ですが、ちょっと最後だから投げやりというわけじゃ決してないんですけど「結局、最後は運」としか言いようがないんです。

夫:確かに最後に投げやりっぽくなっちゃいましたね(笑)

探:なんか、すみません。でも、新築マンションの場合、どうしても隣や上にどんな人が入居するのかわからない状態で購入するケースがほとんどなので、「結局、最後は運」なんですよね。ただ、ポイントはあります。

夫:おぉ〜。それは是非聞いておきたいですね。

探:まぁ、当たり前のポイントなのですが「マンションのモデルルーム見学会」や営業マンとの打ち合わせ時には「周囲の購入検討者をチェックする」ということが鉄則ですね。

これだけでも随分と違いますよ。

もちろん、この中にはモデルルームに来ればもらえる景品目当ての客も一部いますが、多くはマンションを検討している人=つまり将来の隣人の可能性があるのです。

あと、これは確率論になりますが、分譲マンションの場合、そもそも入居する人たちがある程度、お金を持っていたり社会的に真っ当な仕事をしている人たちだけなので、他の賃貸や公営住宅と比べると隣人が真っ当な人の可能性は高いですよ。

逆に言えば、それだけマンションを買うっていうことは誰でもできる簡単なことではない。ということですね。

買いたくても買えない人がいる以上、一定水準は自動的に省かれているのです。そして、その上でマンションのモデルルームなどでチェックするように心がけると良いのではないでしょうか。

夫:なるほど〜。確かにそれはそうでしょうね。

妻:うん。そうね。まあ、最後は運とはいえ見るべきポイントも教えていただいたので、良かったです。

探:うーん。ちょっと「運」と言い切ったのが良くなかったような気がしますね(笑)

ちょっと、申し訳ないので、裏技的なものもあるので、一つ紹介をしておきましょうか?

夫:え!?そんなものがあるのですか!?是非聞きたいです。

妻:確かにそれは聞きたいですね。

探:まぁ、これは絶対に有効な手段というよりは、「無いよりはマシ」程度のものなのですが…

では、簡単に説明をすると、日本には民法があるんですよ。宅地建物取引主任者(現:宅地建物取引士)の資格を取得する際にも民法は学習するのですが、その民法の条文に「信義誠実の原則」というのがあるんですよ。不動産業界では略して「信義則(シンギソク)」と言われることもあります。

この「信義則」というのは要するに「お互いに誠意をもって行動しましょうね。ちゃんと信頼関係を構築しましょうね。嘘をつかないようにしましょうね。」というルールなんです。

日常生活的には当たり前のルールなんですが、民法では民法の始めの方「民法第1条2項」に記載されている民法の基本中の基本なんですね。

ここまで大丈夫ですか?

夫:ええ。大丈夫ですよ。いきなり法律の話になりましたね。

妻:ここまでは大丈夫です。わかりやすく教えてくださってありがとうございます。

探:いえいえ。えーと、ここからが裏技になるんですが、営業マンに対して「今、私が検討しているマンション**の**号室の隣・上階など近くにキチガイはいないか?信義則の原則に従って答えていただけますか?」とプレッシャーをかけることはできます。まあ、ここでは分かりやすく「キチガイ」と言いますが、他に気になる点があるなら言葉を変えて聞いてみてください。

もちろん、「個人情報なので言えません」と言われる可能性がありますが「私が知りたいのは個人情報ではなく、キチガイはいるのか、いないかどうかです。それを信義誠実の原則に従って誠実に教えてください」と言えば良いのです。

夫:おぉ〜。これは本当に裏技って感じですね。でも、そんなことで教えてくれるんですか?

探:それはケースバイケースですね。というよりも、教えてくれないケースの方が多いでしょうね。

でも、ちゃんと法律を勉強している人から見れば、「信義則の原則」と聞けば結構怖いものがあります。

そして、この裏技のポイントなんですが、通常、当たり前ですがキチガイが近くに入居するなんていうことは不動産取引において説明義務があるわけではありませんので、営業マンからしてみれば言う必要がないことなんですよ。

しかし、ここで買主が「私はキチガイはいるのか、いないか知りたい」と言えば、買主がキチガイの有無を知りたがっているということが売主に分かるわけです。

そして、万が一、何かトラブルなどによりキチガイが偶然、近くに入居して何か山川さんご夫婦に危害を及ばしたとしましょう。

もし、売主が「近くにキチガイが入居することを知った上(悪意の上)で伝えなかった場合」民事裁判を起こせば、手付金・キャンセル料などは払わなくて済む可能性があります。

夫:これはすごいです!是非、これは参考にしたい!

探:いや、これは可能性レベルですので、本当気休め程度に思ってください。

例えば、売主としては「キチガイかどうかはわからなかった(知らなかった=善意)」とも言えますし「キチガイの定義」もあやふやな上、これを伝えることで別の買主に対しての信頼関係を損ねるとも考えられるため、裁判で勝つのは難しいです。

ですので、プレッシャーをかける程度に考えてください。

過度に期待を持ちすぎるのは厳禁ですよ。

夫:なるほど。まあ、まったく策が無いというよりはマシという感じで認識をしておくべき。ってことなんですね。

でも、とても参考になりました。いろいろと聞かせてもらってよかったです。

インタビューを終えて

探:ということで、インタビュー・読者相談、お疲れ様でした。

最後にそれぞれご感想を聞かせていただきたいのですが、まずはご主人どうでしたか?

夫:とても本当に参考になりました。

これはお世辞抜きでとてもわかりやすかったのと、営業抜きにフラットに聞けたのが大きかった。

プロから営業抜きにそういう話を聞く機会なんて、普通ないですからね。とても貴重でした。

本当に参考になりましたよ。

でも、このインタビュー記事を見ている人にはこの参考になった気持ちがどこまで伝わるのか不安ですね(笑)

やっぱり、例えば、今日のこの話の中でも、僕自身とても参考になったことがあったんですけど、文字にすると”当たり前”なんですよね。

「いや、僕が参考になった理由はそんな表面的なことじゃなくて、その奥のもっと深いことなんだよ!」って言いたいんですけど、どうやって表現をすればいいのか、悩ましい。

でも、本当に参考になりました。ぜひ、別の人の相談もしてあげて欲しいですね。

探:ありがとうございます。

確かに読者の方にどこまで伝わるのか、私も不安です。

それは私たちの今後の課題でもあると思って、精進していかなければいけないことですね。頑張ります。

では、奥様の方はいかがでしたか?

妻:本当にわかりやすく、丁寧に説明してくれたので、とても参考になりました。

なんて言えばいいのかわからないですけど、今までネットの記事などで見ていた情報が一本の線になった感じです。

ある意味で、今日生まれて全く初めて聴いたことっていうのは「裏技」のことしかないかもしれないけど(笑)今までの情報が全部、点で別々のものだったのが、線になった感じがします。

本当、大変だと思いますが、これからもこういったことを続けていくことは凄く良いことだと思います。

探:ありがとうございます。

点が一本の線になったというのは嬉しいですね。

正直、奥さんが仰っている通り、ネットの情報でもプロが書いている情報も多くて、そのような情報って大体正解なんですよ。

でも、一つ一つが別々になっているので、一つの記事を見ると不安になったり、別の記事を見ると安心したり…。でも、実はマンションを購入するということを総合的に検討するっていう視点が今まで抜けていたんじゃないかな。と思います。

そういった意味で少しでも役に立てたようでよかったです。

本日はお時間をいただきましてありがとうございました。

山川さんご夫婦:ありがとうございました。

最後に

ということで、この記事をご覧の読者の方、2万字を超える長文のインタビューをご覧いただきまして、本当にありがとうございました。

インタビュー中にもありましたが、この一見すると「当たり前」のような情報の奥深い点を知っていただくために、山川さんご夫婦と同じように追体験をしていただくために、今回はこの長文のインタビュー形式にさせていただきました。

ここまで読んでいただいた方には本当に嬉しく思うと同時に、できればご意見なども頂きたいと思っています。

私たち「マンション探偵」は本当にマンションを購入、検討している人たちの役に立てることを全力でやっていきたいと心から考えています。

また、この取り組みも続けていきたいと考えていますので、どうぞご感想をお待ちしています。