先日、神戸新聞などが「三ノ宮駅半径約500メートル以内でのマンション建設規制」案を神戸市が検討していると報じました。
実際、現時点ではまだ検討段階ですので、もし実施するとしても数年、場合によっては10年以上先の話にはなると言えますが、今後、三宮エリアでマンションを購入検討している人にとっては、大きなポイントと言えますので、本サイトでは徹底検証します。
三宮の再整備とは?
そもそも、この「三ノ宮駅半径約500メートル以内でのマンション建設規制案」のニュースについて、解説する前に「三宮の再整備」について、知っておく必要がありますので、まずはここで簡単に解説します。
実は、もともと神戸市では三宮駅から半径500mのエリアを「再整備基本構想」として、重点的に再整備を今後、30年かけて行おうという大きなプロジェクトがあったのです。
「三ノ宮駅半径約500メートル以内でのマンション建設規制案」はその一環なのです。

神戸三ノ宮エリアの再開発(引用:神戸市「都心・三宮の再整備」)
細かい構想は神戸市のホームページの三宮周辺地区の『再整備基本構想』に詳細が載っていますので、詳しく知りたい人はそちらをご覧いただくとして、大きなポイントを述べると神戸市は三ノ宮エリアを以下のような場所にしたいと考えているようです。
(1)神戸の玄関口としての三ノ宮
(2)人と公共交通を優先した道路
(3)駅前広場・風格ある街並み
これだけでは、少し分かりづらいと思いますので、この一枚の絵をご覧ください。

神戸市が想像する三ノ宮駅前の空間(引用:神戸市)
このイラストは神戸市が想定する三ノ宮駅前の将来像になります。
もちろん、当サイトが勝手に描いたものではなく、神戸市のホームページや広報誌などにも掲載されているイラストです。
このイラストでは、今の三ノ宮駅の駅前よりも大幅に歩道が拡張され多くの人で賑わっている様子が描かれています。
そして、道路には一般の車は通っておらず、公共交通機関であるバス(のような乗り物?)だけが通っている。
こんな姿にしていきたいと神戸市が考えているのです。
神戸という観光地の玄関口として、駅前に広場や景観を重視した街並み。車道を大幅に減らして歩道を拡張した街並み。
これが、神戸市が想定している三ノ宮駅周辺の姿です。
三宮の再整備とマンション建設規制
このように三ノ宮駅周辺の街並みは大きく変わって行く方向であると神戸市は発表しています。
そして、その一環として今回のニュースにあった「三ノ宮駅半径約500メートル以内でのマンション建設規制」案が出てきたのです。
神戸市としては、今後三ノ宮駅周辺の街並みをもっと、歩道を広げ景観を重視した街並みにしていこうという中で、駅前にマンションが乱立してしまうと、想定していた三ノ宮の再整備に影響が出るのではないか。ということでこの「三ノ宮駅半径約500メートル以内でのマンション建設規制」案が出てきたのです。
今、マンションを買おうとしている人には朗報
さて、この「三ノ宮駅半径約500メートル以内でのマンション建設規制」案は今、マンションを購入しようとする人にとってはいい話なのでしょうか?
当サイトとしては「今、マンションを神戸・三宮エリアで購入しようとしようとしている人にとっては、非常に朗報である」と言えると考えます。
特に建設規制が実際に始まれば、ほぼ確実に三宮エリアの地価が向上すると考えられます。(実際に始まったとして半径約500メートル以内に限定した話ですが・・・)
三ノ宮は地方都市としても賑わっているだけでなく、梅田へのアクセスも良好ですので元から人気のエリアですし、今後もその人気は続いて行くことが想定されますので、建設規制が始まったとすれば供給数が大きく減少して行くはずですから、その分の地価が上昇するのは当然といえば当然でしょう。
また、すでに三ノ宮駅エリアのマンションを持っている人や契約した人から見れば、この規制はどんどんと進めていってほしいと心から願っているでしょう。
例えば、そういった人の中でも一部の人が三ノ宮駅の再開発について神戸市へ意見や要望を伝えていくと想定されます。
ちなみに、以下のように神戸市では三ノ宮駅の再開発について意見を受け付けているので、そういったところから要望などが伝わっていくと想定されます。
■住宅都市局 計画部 都心三宮再整備課
もちろん、ここから意見や要望を伝えたからといって、それが100%その通りになるわけでは決してありませんが、意外と思われるかもしれませんが、市などではこのような意見を結構参考にはしているので、影響は少なからずあると言えるでしょう。
将来的にマンションを買おうとしている人には悲報
ただ逆に言えば「今はまだ早いけど、将来的には三ノ宮駅エリアに買いたいなぁ」という人にとっては悲報とも言えるでしょう。
もちろん、建設規制がまだ正式には決まっていないので、まだ悲報というには早すぎる段階とも言えますが、もし、建設規制が始まれば買おうとしている人がすぐに集まってしまいますし、実際に今の時点でもマンションの供給側はある程度その建設規制を想定していることも考えると、現時点でも「将来的には三ノ宮駅エリアに買いたいなぁ」という人にとっては悲報と言えるのではないでしょうか。
ちなみに、どうしても何か神戸市に今回の再整備で物申したいことがあるのであれば、神戸市のホームページのご意見・ご要望から送ってみるのも一つの手かもしれません。
実際に、市に意見を言う人は数では少ないので一つの意見としては取り扱われるはずです。
■住宅都市局 計画部 都心三宮再整備課
神戸市にとっては挑戦であり、リスクが高い
さて、ここまででは三ノ宮駅周辺でマンションを買った人や買おうとしている人の立場に立って、朗報・悲報を判断してみました。
次にある意味で、最大の当事者である神戸市にとってはどうなのか。を見ていきたいと思います。
今回の「三ノ宮駅半径約500メートル以内でのマンション建設規制」案は神戸市にとっては、非常に挑戦的であり、リスクが高い取り組みであると言わざるを得ません。
と言うのも、直近では神戸市の人口の減少傾向が続いており、直近では5年連続の人口減少となっています。
それをさらに人口減少を加速していく可能性のある取り組みと言えるのです。

神戸市人口推移(引用:神戸市HP)
実際に神戸市の直近の人口の増減推移を見ても、阪神淡路大震災の年の大幅な減少を除くと、バブル崩壊後長期的に下降トレンドになっていることがわかります。
その中でも三ノ宮のある中央区は人口が増加しているエリアになっているのです。
そんな数少ない人口が伸びているエリアである中央区の中心地の半径約500メートル以内でマンションの建設規制となると、市内の人口はさらに減少してしまうのではないかと言えます。
実際に、三ノ宮の中心地の半径約500メートル以内でマンションの建設規制となるとマンションの供給量が減り、代わりに神戸市に近接する芦屋・西宮や宝塚、明石など住環境の面で人気のあるエリアの人口が増えるのではないかと想定されます。
このような人口減少という意味ではリスクがある案と言えます。
しかし一方で、この再開発がうまくいって三ノ宮駅を中心に神戸の競争力が強化されれば話は変わります。
三ノ宮周辺の観光需要や法人の誘致が積極的に進めば、三ノ宮で働く人が増える。
そうなると三ノ宮で働くために、その周辺の居住ニーズが高まり人口増加や広範囲での地価のアップも見込めるでしょう。
例えば、灘区や東灘区は当然に人口が増えるとして、中央区への利便性が良いものの人口減少傾向が続いている西側の兵庫区や長田区などの地価の人口増加や地価の上昇も見込めると想定されます。
また、長田区の活性化の第一歩として、神戸市・兵庫県では長田区の新長田エリアに庁舎ビルを建設することが決まっています。
最後に
阪神淡路大震災から20年が経過して、ようやく実質的に再建が完了して次の時代に向けて投資を行っていけるようになったのが今の神戸市と言えるでしょう。
その神戸市にとって、この三宮再整備は今後30年近くをかけて行う非常に大きなプロジェクトになっています。
三ノ宮エリアの価値・魅力を高めることで競争力を増加させ、三ノ宮に近く利便性が良い兵庫区・長田区を活性化させるのが狙いと言えます。
どちらにせよ、三ノ宮の再整備を行なっていくことは決定していますので、今後、三ノ宮エリアの価値が上がるかどうかは、この三ノ宮の再整備にかかっていると言えるでしょう。