【意外といいかも?】定期借地権付きマンションを考える

【意外といいかも?】定期借地権付きマンションを考える

ここでは、あまり触れられていない定期借地権付きマンションのメリットやデメリットを今一度整理して、定期借地権付きマンションの可能性や注意をしないといけないことを解説。

また、そもそもの定期借地権付きマンションについては、以下のページにて詳細に用語を解説しています。

本稿でも基本的なポイントは押さえていますが、こちらの用語集の方もチェックしてみてください。

 

 

そもそも、定期借地権付きマンションとは

まずは、そもそもの「定期借地権付きマンション」とは何なのかを基本的な項目を整理してみます。より詳しく概要を知りたい方は「定期借地権付きマンションとは -用語集-

・「定期借地権付きマンション」とは何なのか?

マンションを建設する土地を購入するのではなく、地主から借りてマンションを建築した物件のことです。

 

・メリットポイント:初期費用が6〜7割程度と安い上、利息も下がる効果がある。さらに、土地の固定資産税も払わなくていい。

マンションの建設用地を購入する必要がないため、初期費用が大幅に抑えられます。

具体的にはマンションの建設場所によっても異なりますが、おおよそ通常のマンションと比べて6〜7割程度の初期費用で購入することができるだけではなく、初期費用が大きく下がる事は間接的に住宅ローンを借りる金額も低くなるため、結果的に銀行へ支払う金利も安くなるメリットも生まれます。

さらには、土地の固定資産税についても、税金は所有者に対して課せられる税金であるため、土地の固定資産税も払わなくて良くなるメリットがあります。

 

デメリットポイント:土地の使用料を払わなければならない上、解体に必要な積立金が必要。

デメリットとしては、当然地主に土地のレンタル料を払って借りるという形になりますので、土地の使用料を払わなければなりません。

金額は土地を購入するよりは確実に安い金額が設定されており、目安として金額的には月額1万円代〜2万程度/月が目安と言えます。

さらに、土地のレンタルの期間が満了した後はマンションを解体して地主へ土地を更地にして返さないといけないため、解体に掛かる費用を準備金として毎月積み立てなければいけません。

 

ここまでは一般的に言われている定期借地権付きマンションのメリットとデメリットになります。

そして、ここからはマンション探偵独自の視点をもとに定期借地権付きマンションをさらに分析をしていきます。

 

まずは定期借地権付きマンションのメリットをさらに深堀して分析していきましょう。

<定期借地権付きマンションのメリット分析>

マンションとしての終わりが見えているため、修繕の計画が最適に設定できる。

まず、定期借地権付きマンションならではの考えとしては、期間が満了すればマンションを解体して土地を返さなければいけないということ。これが大きなポイントになると言えます。

時に大きな影響を与えるのが修繕の計画に対してです。

マンションをいつ更地にするのか。この期限が明確であることからいつにどの規模の修繕を行うのかが計画立てやすい。

これは大きなメリットであると言えます。

マンションの修繕の時期はとても難しい問題であり実際にマンションによっても大きなバラツキが出ています。

東京都都市整備局の調査によると20年以内大規模な修繕を実施したマンションは約62%のマンションのみ。約3分の1が行われていない結果となっています。

つまり、50年の契約の定期借地権付きマンションの場合、例えば17年目と35年目に大規模修繕を行う。など所有者同士でも時期について形成合意が取りやすい面があります。

これは逆に言えば、取り壊す時期が近づいてくると「どうせ取り壊すから」ということで修繕をしなくなる。とデメリットにもなると言えますが、多くのマンションの場合建物の修繕積み立ては行っていても取り壊し金の積み立てを行っていないケースもあり、一概にデメリットとも言えなくはありません。

 

古いマンションが終の住処とする事に限界があるのでは?

定期借地権付きマンションの場合、予め期間を決めて更地にする契約になっています。

そのため、定期借地権付きマンションを終の住処とすることは難しいと言えるでしょう。

一方で果たして本当に古いマンションを終の住処とする事は現実的に考えてよい老後を迎える上でいい選択肢になり得るのでしょうか。

技術の進歩やサービスの進歩によって、高齢になった時によりぴったりなマンションや老人ホームなどが出てくるかもしれない。

そうなった時に、普通のマンションの場合、古いマンションは売るに売れないということになってしまうかもしれませんが、定期借地権付きマンションの場合、最終的にはマンションを解体して土地を地主へ返還するため、老後に柔軟的に動きやすい方法といえます。

イメージとしては賃貸と持家のちょうど真ん中、長期で借りることを前提として費用面や設備面を持家のレベルに高めたマンション。これが定期借地権付きマンションといえるでしょう。

 

普通のマンションだって50年くらいで建て替えをしないといけない。

さらに重要なことで多くの場合、忘れてしまう点があります。

それは、定期借地権付きマンションは期間が来れば解体しないといけないのですが、普通のマンションだって、修繕をすればいつまでも使えるのではなく、長くても約50年程度で建て替えをしないといけないということです。

この観点を忘れがちになってしまいますが、結局のところ長い目で見ると定期借地権付きマンションと普通のマンションは変わらず、建て替えはしないといけないのです。

その建て替えの時期が予め決まっている定期借地権付きマンションと建て替えの時期が決まっていない普通のマンションであるという違いしかありません。建物の質や中身は何も変わらず、一緒です。

 

 

ここまでは定期借地権付きマンションの一般に言われている内容以上にどんなメリットがあるのかを分析してみましたが、次のページでは、逆に定期借地権付きマンションに隠されたデメリットを分析してみましょう。