【検証】海が近いマンションって実際どうなの?【周辺施設シリーズ】
マンション探偵の「周辺施設シリーズ」ではマンションの近くにある施設やマンションの近くの環境を取り上げ、徹底的にメリットとデメリットを分析するコーナーとなっています。
マンションの価値を決める最大のポイントは立地であるとマンション探偵ではずっと提唱しています。
そこで、今までは「工場」や「ラブホテル」といった周辺施設などを取り上げましたが、今回はキャッチコピーにも使われる「海」を取り上げてみましょう。
特に海は眺めも非常に良いだけでなく、海沿いのマンションは日当たりもよくなりますので「シーサイドマンション」と宣伝に使われるほど人気でもあります。
実際に海の近くの「シーサイドマンション」の場合、海が見える部屋と海が見えない部屋では数百万程度の価格差を設けていることもあるほどです。
そんな「シーサイドマンション」のメリットやデメリットをこの記事では解説をしていきます。
また、過去には当サイトにて「川」が近くにあることの影響をこちらの記事「【検証】川が近いマンション(リバーサイドマンション)って実際どうなの?【周辺施設シリーズ】」で調査をしています。
川が近い「リバーサイドマンション」と海が近い「シーサイドマンション」では異なる点もありますが、自然の水が近い環境ということで近い点もあるので、本記事と合わせて確認をオススメします。
「シーサイドマンション」のメリットは何と言っても景色!
まずは「シーサイドマンション」のメリットからおさらいをしましょう。
メリットとしては何と言っても景色。これが最大の利点ですが、マンションの場合景色は見るだけのものではありません。
実は海への景色が良いマンションには以下のようなメリットも合わせて付随してくるのです。
・景色は中古マンションでも価値は変わらないため、中古でも売りやすくなる。
・将来のマンションの周辺環境が想定しやすい。
それでは、一つ一つの項目をチェックしていきましょう。
景色は中古マンションでも価値は変わらないため、中古でも売りやすくなる。
まず、一つ目のメリットが景色の価値が変わらないため中古でも売りやすくなるという点です。
というのも、景色は他の設備と異なって、時間が経過することによって価値が減ることはなく、景色が良いマンションはこれからも景色はよくあり続けるのです。
これは当たり前の話ではあるのですが、つい忘れがちな点として中古マンションは新築マンションとは異なりモデルルームもなければ、ムービーなど購買意欲を湧き立てる仕掛けがないのです。
その多くは、現況のマンションの外観と間取り図やマンション内の実際の写真が中心なのです。
そこにマンションのバルコニーから見える海の景色があり「海の展望が一望できる景色」というようなキャッチコピーがあるだけで、他の中古マンションよりも確実に目を惹きます。
新築マンションで良くある豪華な設備などは中古マンションになってしまうとどうしても、訴求力が劣ってしまうのですが、景色は価値が減らないので、中古マンションにおいては、非常に強力な訴求ポイントとなるでしょう。
また、海の景色が良いマンションは一定数のニーズはありますが、供給数が増え続けることはないため、そう言った観点でも価値は維持されやすいでしょう。
将来のマンションの周辺環境が想定しやすい。
さらに、二つ目のポイントとしては海沿いのマンションは距離的にも海に近いことから物理的にマンションと海の間に将来的にマンションが建つことはないため、将来の周辺環境が想定しやすいというメリットもあります。
もちろん、立地にもよりますので全てのマンションの展望が保障されているわけではありませんが、基本的には海沿いのマンションの場合、景観や日当たりの面で他の場所よりも維持されやすいと言えるでしょう。
上述の通り、景色は中古マンションになっても価値が変わらないだけでなく、このように将来に渡っても展望が維持されやすいというのも、海沿いのマンションならではの価値と言えるでしょう。
「シーサイドマンション」で気になるのは塩害?
次に海沿いのマンションのデメリットをチェックしましょう。
まず、最も大きなポイントとして挙げられるのは「塩害」でしょう。
塩害とは海風に乗って海の塩分が電気設備や鉄、コンクリートなどが錆びてしまうことを言います。
最近のマンションでは塗料などに塩害対策の塗料を用いているため、かなり塩害は抑えられているようです。
ただ、古いアパートなどは塩害対策用の塗料を用いていないため、錆びやすいようです。
インターネットで塩害被害の口コミがある場合には、その口コミ主が古いアパートに住んでいる場合があるかもしれませんので、それを差し引いてみるべきでしょう。
ただ、その塗料も万全ではありませんので、定期的な修繕の際に塗り直しなどを行う必要があります。
また、塩害はマンションだけでなく、クルマなども注意が必要です。
ですが、クルマの保管場所を気をつければかなり塩害の被害は免れることができます。
海風を直接受けるような保管場所だと錆びやすいのですが、シャッター付きの屋内保管場所であれば気にする必要はほとんどありません。
もちろん、シャッター付きの屋内保管場所がベストではありますが、海風を和らげてくれる駐車場所であっても塩害の被害を抑えてくれますので、海沿いのマンションの購入にあたっては駐車場所にも注意しておきましょう。
海に近ければ津波の被害は?
塩害の次に気をつけなければいけないのは「津波」の被害です。
津波の被害に関しては、ハザードマップでチェックできます。
実際に海に面している場所については、南海トラフ巨大地震が発生した場合の影響をハザードマップで記しています。
例えば、以下は住之江区の影響となっています。
その他、各地方自治体によって水害ハザードマップがありますので、該当するマンションが水害ハザードマップをチェックしましょう。
まとめ
海の近くのシーサイドマンションには景色が非常に良いというメリットがあります。
ですが、この記事で挙げた「塩害」や「津波」についてのリスクもしっかりと把握をしておきたいところです。
そして、単に海の近くという理由だけで避けるのではなく、塩害対策をしっかりとしているマンションなのか?駐車場は海風から守られているのか、マンションの水害ハザードマップなどをチェックしましょう。
海の近いマンションは、展望も良く資産価値も維持されやすいことから、単に避けるのではなく、出来る限りリスクの少ないマンションを選ぶように心がけましょう。