このサイトでは関西の新築マンションの情報をメインに記事にしていますが、今回は趣向を変えて、賃貸をテーマにしてみます。
というのも、マンション探偵の記者の知人が「賃貸マンション探しをしたい」ということだったので、一緒に同行してマンション探偵流のアドバイスをしてみました。
賃貸を借りようかなと思っている人でも、新築マンションを購入検討している人でも参考になるような記事になっています。
また、賃貸を初めて借りる人にとって「どんな流れで賃貸を借りればいいのか」がイメージしやすい記事になっていますので、これからマンションを借りようという人はぜひ、チェックしてみてください。
では、今回の主役、どんな人がどんな条件で探しているのかをみてみましょう。
どんな人が借りるの?

物件を探すYさんの様子
Yさん:24歳 男性
転職を機に、職場が神戸から大阪市生野区に変わったこと。
そして、そのタイミングで付き合っている同じ年代の彼女と同棲をしたいということで部屋探し。
彼女も別の仕事をしているが、今回の部屋探しを機に別の仕事をしようか検討中。
となっています。
同棲と言うこともあって、将来的には結婚も考えているようです。
また、本人だけじゃなく、彼女さんの意見も踏まえて家探しをしないといけません。
ただ、二人とも初めての家探しということもあって「どうしたらいいの?」と相談されたので、アドバイスや一緒に同行しました。
では、次に条件面を見てみましょう。
条件を整理
・新しい職場(大阪市生野区)から通勤しやすい場所にあること。
・最低1LDK以上、40平米以上
・ペット飼育可(小型犬以上)
・駅から徒歩10分程度
・駐車場・家賃10万以内(管理費込み)
・2017年2月ごろに入居
・築浅(築15年くらい)
まずはエリアを決める
まずは大まかなエリアを決めていきます。
新築の場合には、住みたいエリアや資産価値など様々なことを考慮した方がいいのですが、賃貸でのエリアの決め方は、職場に近い駅の路線沿いの駅で探すのが王道です。
また、Yさんの場合には子供もいませんので、シンプルに職場への便利さで考えれば良いでしょう。
彼女さんは家が決まってから転職をするかもしれないということなので、今回はシンプルにYさんだけの通勤に便利な路線で探していきます。
次に、その路線の中で選択肢に上がる駅を決めるのですが、便利なのが路線ごとの駅別の平均相場が載っているホームズのページです。
リンク先:ホームズ大阪府の家賃相場
これを使えば駅ごとのおおよその相場がわかりますので、自分の予算にあった最寄駅を見つけるのに便利になります。
Yさんの使いたい路線は大阪市営地下鉄の千日前線ということなので、その路線における相場を見てみましょう。

千日前線の相場(引用:ホームズ千日前線の家賃相場)
このデータは1LDK・2K・2DKの駅徒歩10分以内賃貸物件の平均賃料(管理費・駐車場代などを除く)になっています。
Yさんの場合は、管理費・駐車場込みで予算10万円だったので、鶴橋駅〜南巽駅が現実的な線ではないか。
ということを、Yさんに伝えました。
やっぱり、地元に近い方がいい?
この話をYさんに伝えたところ、「うーん。ちょっと遠いかなぁ」とのこと。
Yさんの彼女も同じような反応でした。
職場にも近く、便利な駅なのですが、二人の地元である神戸から少し離れてしまうということが気になってしまいました。
神戸からだと職場は遠すぎるけれど、ある程度神戸にも近い場所の方がいいんじゃないか?ということで、鶴橋駅〜南巽駅ではなく、別の駅に二人の興味が移っていきました。
それは「野田阪神駅」でした。
野田阪神駅であれば、阪神の野田駅も使えますので、電車で神戸方面へのアクセスもよく、Yさんの職場方面へのアクセスも良好。
ということで、「野田阪神駅」を中心に探し始めてみることに…
ペットOKのマンションは少ない
色々とありましたが、希望とする駅が決まったところで、次は実際の物件探し。
となったところで、早速、次の問題が…
Yさんの場合、小型犬も一緒に飼いたいということだったのですが、ペットOKのマンションとなると一気に数が減ってしまうのです。
野田阪神駅周辺の賃貸の場合、全体で「479件」の物件があったところ、ペット相談可の物件が「89件」に。
全体の2割以下(18.6%)の物件数になってしまうのです。
当然、ペットOK以外にもYさんの条件があるので、それに当てはまる物件となると予算に合致する物件は「野田阪神駅」周辺ではほとんど無いということになってしまったのです。
別の場所に?予算を上げるか?どうする?
ここで悩ましいことになってしまいました。
どうしても、ペット可の物件でないといけないYさんですが、検討していた「野田阪神駅」周辺では希望条件・金額に合致する物件がほとんど無いことがわかりました。
ここで、Yさんの選択肢としては
(1)別の場所でもう一度、探してみる。
(2)予算を上げて「野田阪神駅」周辺の物件を見てみる。
ということだったのですが、Yさんと相談して
(3)他の条件を少し緩和してみる。
ことにしたのです。
具体的には「駅から徒歩10分程度」という条件を緩和することにしました。
ちなみに、Yさんは普段から自転車によく乗っていて筋トレも趣味ということでしたので、「野田阪神駅」にも自転車でアクセスできる場所であれば良いことになりました。
でも、雨が降った時などは徒歩で駅まで行きたいということなので、最寄り駅からは徒歩10分くらいで行ける場所。
ということで、「野田阪神駅」から各停で2駅の「阪神姫島駅」周辺も対象とすることになりました。
ここなら、「野田阪神駅」にも自転車で行け、雨が降った時には「阪神姫島駅」を利用。そして、相場も野田阪神駅よりも安くなるのです。

姫島駅の相場(引用:ホームズ)
実際に姫島駅周辺の相場を見ると野田阪神駅よりも1万円以上も安いことがわかります。
姫島駅周辺で探して見ると、ちょうど予算にも合致するペットOKな物件が見つかりました。
実際の物件名は個人情報にもなるので、ここでは伏せますが、いくつか複数の候補を見つけることができました。
複数の候補を持って仲介業者へ行こう
複数の候補を見つけて、ようやく仲介業者(ミニミニとか賃貸サービスなど)へ行きましょう。
あまり候補がない時点で仲介業者へ行っても、「なんとなく」で決めてしまうか「決められずに1日疲れて帰ってくる」という結果になってしまうだけです。
できれば、複数の候補を見つけて仲介業者へ事前に予約していくのが良いでしょう。
ただ、物件の種類によっては、その仲介業者(ミニミニとか賃貸サービスなど)では紹介できないケースもあります。
基本的には「媒介」という箇所が物件の概要のページにあるはずですので、その項目が「一般媒介」になっていれば他の仲介業者でも紹介できますが「専任媒介」となっていれば、紹介してもらえないかもしれません。
その場合には、複数の仲介業者を使うしかありません。
また、最近は仲介手数料が安くなっている仲介業者も出ています。
基本的にこれらの業者は「仲介」を行うだけですので、どこの業者を選んでもそこまで大きな影響はありません。
もちろん、担当者の熱意や意欲によって値引き交渉などはできる可能性がありますので、できるだけ意欲の高い担当者にしたいところです。
また、複数の候補を持って行くメリットとしては、住みたい場所周辺の相場感を自分で持っておくことにも役立ちます。
不動産会社の人には「貸したい物件」がある
さらに、複数の候補を持っていくといいことがあります。
というのも実は、不動産会社の人は貸したい物件などが決まっているのです。
地域や会社によって「アド」とか「バック」「広告」等と呼ばれているのですが、賃貸物件を保有しているオーナーがどうしても、借主をつけたい時に追加で支払う金額が設定されている場合があるのです。
そのような場合、賃貸会社の担当者が積極的にオススメしてきますので、本当にいい物件なのかをちゃんと判断できるようになります。
実際に不動産会社に行ってみた
ということで、早速不動産会社に行ってみました。
とりあえず、約束の時間に行き、カウンターに予約している旨を告げると早速担当者の方が出てきました。

賃貸カウンター
事前に見たい物件をピックアップしていたので、その物件とプラス担当者のオススメ物件もあるとのこと。
早速、色々と見て回ることに・・・
物件を見に行ってみた<アドバイスしてみた>
色々な物件を見て見ましたが、ここでピックアップするのは1件だけ。
築10年経過した投資用マンションでした。
マンションの外観やマンション名はプライベートなことになるので、ここでは伏せさせてもらいます。

LDKと部屋の間仕切り
例えば、LDKと部屋が扉ではなく、間仕切りになっていました。
これは、二人暮らしの場合、生活音が聞こえやすくなるので、要注意。

エアコンが付いているか?エアコンの年代は?
エアコンは付いているケースが多いのですが、その年代まではチェックしていないケースもあります。
例えば20年以上前のエアコンだと、最新のエアコンと比べ倍くらいの電気代がかかってしまうので、チェックしておきたいですね。

ウォシュレット付き?
気になる人は気になるのがウォシュレット付きのトイレかどうか。
意外と忘れてしまいがちなので、この辺りもチェックしておきたいですね。
申し込み・仮審査
こんな感じで一緒に色々とチェックしておいたのですが、やはり、ペット可の賃貸マンションがあまり多くはないということもあって、結局、このマンションで決めようということになったようです。
そこで、その次のステップが申し込みになりますが、ここから先はそれぞれの賃貸物件のオーナー毎によって若干異なります。
この賃貸オーナーの場合、仮審査が終わってから本審査になるとのことで、仮審査の段階で結構、色々な書類を用意しないといけないようでした。
また、仮審査の段階では正式な申し込みの意思は必要ない。とのことで、その人が借りることができる人かどうかをチェックするためのものとのことでした。
仮審査の結果、ギリギリで…
仮審査の結果、ギリギリで通貨となったとの連絡が業者から入りました。
ギリギリになった理由が勤続年数があまり長くはなかったことが影響したと説明されました。
正直なところ、ここから交渉がスタートしていると考えた方が良いでしょう。
最近は保証会社が間に入ってくるケースが多いので、審査といってもそれほど細かくは見られずに、ブラック歴があるかどうかなどを見られる場合が多いようです。
ただ、ここまで話が進む前に仲介業者との話で「仮審査が不安」などともし言ってしまえば、仲介業者から「ギリギリだったので、○○さんがとてもこの部屋に興味を持たれていたんですよって言って審査を通過させてもらいました」と言われて契約しないといけない雰囲気にさせられてしまうこともあります。
そう言ったことを防ぐためにはすでに交渉が始まっていると心しておく必要があります。
本審査は条件付きで交渉
そして、次がクライマックスの本審査(本申込)交渉のフェーズです。
ここがある意味で、一番難しいのですが、多くの人が勘違いしていることでもあります。
交渉相手は目の前にいる仲介営業マンではなく、その先にいるオーナー・管理会社なのです。
そのオーナーが個人なのか、管理会社なのかによっても交渉の可否は大きく変わりますが、基本的には「いくらまで下げられる?」と聞いてもそれほど意味はありません。
もちろん、意見を聞くくらいはいいかもしれませんが、本当に値下げをしたいのならば、シンプルに「いくらであれば契約する!これを上回れば契約しない!」と断言してしまうのが効果的です。
もちろん、仲介営業マンは「それはちょっと難しいですよ」などと言われると思いますが、本当にいい条件が欲しいのであれば、ブレずに断言した方がいいです。
というのも、仲介営業マンは成約しないと自分の数字にはなりませんから、本当に難しいかどうかはわからなくても、とりあえず値下げには「難しい」と言っておいた方が、楽なのです。
下手に値引きを期待させてしまうと、値引きできなかった時に「この担当者は使えない」と思われてしまってはいけませんから、「難しい」とまずは言っておきます。
ちなみに、もし値引きができれば、逆に「精一杯○○さんのために頑張りました!」といえばいいだけですので。。
値引きの結果は
ということで、かなり強気に交渉をした結果、なんと賃料と管理費含めて5000円近くの減額・値引きに成功しました。
また、今回の成功については、1駅離れた場所に新築の賃貸マンションが建築されているというのも影響があったのかもしれません。
もちろん、この手法で絶対に成功するということではないので、その点だけご注意ください。
最後に
ということで、今回の賃貸マンションの探し方・借り方特集はいかがでしたでしょうか。
賃貸マンションは個別のマンション毎にとって値引きや申し込み・交渉などの流れも若干異なりますが、大きな流れはこの記事で説明した流れになるでしょう。
また、交渉術も紹介していますが。この交渉術は万能というわけではありません。
もしかしたら、値引きできない可能性も十分にありますが、かなり効果的な方法なので、是非一度、トライしてみてください。