【検証】川が近いマンション(リバーサイドマンション)って実際どうなの?【周辺施設シリーズ】

【検証】川が近いマンション(リバーサイドマンション)って実際どうなの?【周辺施設シリーズ】

この記事ではマンション探偵のシリーズ企画の一つである「周辺施設シリーズ」をお届けします。

周辺施設シリーズ」では、マンションの近くにある施設やマンションの近くの環境を取り上げ「これってどうなんだろう?」「どんなメリット(デメリット)があるのか」を分析するコーナーです。

さて、今回のテーマは「川」。

川が近くにあるマンションは、広告ではカッコよく「リバーサイドマンション」や「ウォーターフロント」などと呼ばれることもあり、川沿いに公園や芝生などがあれば完全にメリットとして、紹介されているケースが多いでしょう。

この記事では、そんな「川」の近くにあるマンションの隠れたデメリットや実際に住んでいる方からのインタビューなどをもとに、意外と住んでみて始めて気づいたメリットなどを解説していきます。

そもそも川沿いマンションってどれだけあるのか?

そもそも、現時点(本記事執筆時点:2016年4月)で川沿いはどのようなものがあるのか。

それを挙げてみましょう。

まず、「川沿い」と聞いて最初に浮かぶのは大阪中之島周辺。

「中之島が川?」と思われたかもしれませんが、中之島自体は堂島川と土佐堀川に挟まれた場所ですので「リバーサイド」と呼べる場所となります。

中之島エリアは非常に多くの新築マンションがありますね。

また、その他のエリアとしては阪急神崎川駅周辺にある「シティテラス神崎川駅前」や阪急上新庄駅の「ブランズシティ上新庄」もリバーサイドマンションと言えます。

さらに、リバーサイドマンションはまだまだあります。

天満橋の「プレサンス ロジェ 天満橋リバーテラス」に阪急相川駅の「ラウロ相川リーヴァ」。さらに「ザ・パークハウス 宝塚」もリバーサイドマンションと言えます。

これは一部のリバーサイドマンションですので、意外とかなりのマンションが「川の近くにある」と言えるでしょう。

メリット:川・水が近く清々しいイメージ

では、早速本題の一つである川沿いのマンションはどのような点がメリットとしてあるのか?

まずは、それぞれのマンション広告に掲載されているアピールポイントをチェックしていきましょう。

「水と緑につつまれた癒されるロケーション」(引用:スーモ)

例えば「ラウロ相川リーヴァ」では全面に「川」をプッシュしています。

上記のスーモの広告ように「水と緑につつまれた癒されるロケーション」と漠然としたイメージではありますが水と緑が多いということを伝えたメッセージだけでなく、公式のホームページでも以下のようにPRしています。

風薫る癒しの水辺(引用:ラウロ相川リーヴァ)

清々しい川風を、まとう街「相川」。(引用:ラウロ相川リーヴァ)

など、具体的なメリットなどを記載していないケースですが、これらのフレーズを見るだけでも川や水が近くにあるという清らかなイメージを抱かさせてくれます。

さらに、イメージだけでなく実際に川の近くには公園が整備されていたり、芝生があるなど環境面が非常に良いケースが多くあります。

これは、実際の立地条件で川沿いに価値があることが前提とますが、資産価値という意味でも周辺環境がよければ維持されやすいと言えるでしょう。

というのも、マンションは時間を経るごとに劣化してしまいますが、川沿いの環境や雰囲気などは時間を経ても税金などで新たに整備され続けますので、価値は減りません。

メリット:景観が良く、自然を身近に感じられる。

また、川沿いのメリットはイメージが良いだけでなく実際に自然環境も良い場合がほとんどです。

川沿いに公園があるだけでなく、川そのものが生物にとっても住みやすい環境であることから空気も良く都市部にあっても川沿いは自然と身近に触れ合うことができます。

このような環境は子供がいる家庭では、非常に重要と言えるでしょう。

最近では公園のグラウンドくらいしか土を踏める場所というのはありません。

ですから、公園であっても余程の大規模な公園でないと生物もいないというのは珍しいことではないでしょう。

しかし、川沿いとなると生物の宝庫とも言えますので、子供が小さい頃から自然と身近に感じられるので教育の環境として非常に良いと言えるでしょう。

そのような環境を都市部で探すとなると他には中々ありませんので、人気の要因の一つと言えるでしょう。

さらに、川沿いであることは展望も非常に良いことが挙げられます。

淀川であれば花火大会などもあり、場所によっては花火大会の特等席ということもありえます。

さらにはこの展望というのは、川の分だけ日当たりも良いというメリットでもあります。

 

メリット:川は将来も川であり続けるため、新しい建物ができない。

ある意味で当たり前ですが、意外と見落としがちなのが川は将来も川であり続ける可能性が非常に高いということです。

つまり、川を埋め立てて新しく建物などを設置することもないため、将来にわたって川であり続けるということが大きなポイントと言えるでしょう。

これは、一般のマンションでは無いメリットと言えるでしょう。

用途地域(本サイトの用語集へリンク)のように、場所によって制限される建築物はあります。

しかし現実問題としてマンションの場合、どうしても立地が最優先となるケースが多く都市部のマンションだと「商業地」と呼ばれる制限の緩い場所に建てられるケースが多くあります。

そのような場合、どうしても将来に渡って隣に何が建てられるのか決まっておらず、将来、どのようなものが建てられるのかわかりません。

オフィスビルかもしれないですし、マンションかもしれない。飲食ビルなのかもしれない。

都市部のマンションにはそうした将来の不確実な事実がありますが、リバーサイドマンションであれば川は将来も川であり続けるため、安心して住み続けることができるでしょう。

 

では、ここまではメリットを見てきましたが、次にデメリットを見てみましょう。

デメリット:自然が多いということは虫も多い。

メリットの裏返しは逆に言えばデメリットにもなりえます。

環境の良い川沿いは生物の宝庫でもあれば、残念ながら招かれざる虫もいます。蚊や小さな虫などです。

マンションでも高層階であればそこまで影響はないかもしれませんが、低層階だとどうしても影響を受ける可能性があります。

ただし、これも川の環境によって大きく異なるのです。

川の近くにあっても、虫の影響などを受けないところもありますので、実際の周辺の川の様子をしっかりと確認しておくことが重要と言えます。

デメリット:川の洪水・氾濫リスク

川沿いの最大のデメリットは川の洪水・氾濫のリスクです。

国土交通省では、各地域の川の洪水リスクを調べられます。

ここからそれぞれの市町村の洪水マップを確認できるのです。

洪水ハザードマップ(http://disaportal.gsi.go.jp/viewer/)

実際に大阪市の洪水ハザードマップを調べると以下のページになります。

大阪市 水害ハザードマップ(http://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000299877.html)

このサイトからそれぞれの大阪市の代表的な川の水害リスクを確認してみましょう。

淀川が氾濫した場合(引用:水害ハザードマップ(淀川区))

淀川が氾濫した場合(引用:水害ハザードマップ(淀川区))

まずは大阪の代表的な淀川における淀川区のハザードマップです。

淀川は琵琶湖から大阪まで流れる非常に長い川ですので、淀川区以外にも影響は大きいのですが、今回は淀川区のハザードマップを見てみましょう。

場所によって色分けがされていますが淀川が氾濫した場合、淀川区全域においてかなりの影響があると見て取れます。

ただ、場所によって色が異なりますのでそれぞれチェックしたいマンションの場所をチェックすると良いでしょう。

また、上記は淀川だけですが、同じ淀川区の近くには神崎川も流れています。

そこで、神崎川が氾濫した場合も合わせてチェックしてみましょう。

神崎川が氾濫した場合(引用:水害ハザードマップ(淀川区))

神崎川が氾濫した場合(引用:水害ハザードマップ(淀川区)

このように、大阪市の水害ハザードマップでは、川が複数ある場合にそれぞれの川の洪水リスクを同時に踏まえて判断すると良いでしょう。

最後に

この記事では、川沿い(リバーサイドマンション)に関する情報をお届けしました。

リバーサイドでは景観も非常によく、街並みもオシャレなことから新築マンションにおいても人気の一つと言えるでしょう。

また、街並みはマンションの経年劣化とは関係なく、よくなっていきますので本当にいい街並みであれば価値も維持されやすいと言えるのです。

ただし、この記事で挙げたようにリバーサイドならではのデメリットというのも発生しますので、メリットとデメリットをしっかりと見比べて検討したいものです。