やっぱり難しい?中古マンションの5つの落とし穴

やっぱり難しい?中古マンションの5つの落とし穴

この記事では、中古マンションの購入において陥りがちな落とし穴をについて解説していきます。

近年「新築マンションは買ってはいけない。買うなら中古マンションだ!」という書籍が増えているので、そのような書籍などに対してのアンチテーゼだと思ってください。

そして、本記事にて記載した落とし穴を踏まえても購入したい。と思える人が購入をすべきでしょう。

まず、前提として新築マンションよりも目利きや見定めるのが難しいのが中古マンションだと言えます。

だからこそ、容易に誰にでも勧めるべきものではないと当サイトでは考えています。一方でだからこそ、そのリスクを知っていただきその上で選択肢として検討をするのが最も正しい姿だと考えています。

ぜひ、中古マンションの購入を検討している人はチェックしてください。

 

落とし穴1:目に見えない配管などは傷んでいると思うべき

ある程度築年数が進んでいる物件の場合、「目に見えない配管などは傷んでいる」という前提で考えてください。

もちろん、配管や水回りをしっかりとメンテナンスしている中古物件もあるでしょう。

そして、実際の購入の際にはできる限りそういったところもチェックすべきなのは当たり前です。

ではなく、中古マンションの考え方という面で「目に見えない配管などは傷んでいる」という前提で資金計画を立てるべきと言えます。

 

実際に以下のような話をよく聞ききます。

〜エピソード リノベーション済み物件にありがちな落とし穴〜

中古マンションを売りに出す際に少しでも高値で売る方法としてリノベーション済みとするケースがあります。

古くて汚いマンションよりもリノベーションをして綺麗にしたマンションの方がリノベーション費用を加えても高く売れるケースが多いというから、中古マンションの常套手段として定着しています。

ここで、落とし穴があります。

中古物件の業者はできる限り、リノベーション費用を安くしたいと考えますので、見た目でオシャレにする点は非常に気を使ってコストをかけますが、見えない配管などは「今、水漏れしているわけではないんだから、修繕する必要はないだろ」ということで、内装だけ新しくなった中古マンションの完成です。

そして、もちろん中古マンションを売り出す際には「内装や内部はリノベーション済みなので、新品と変わりありません!」と売り出されるのです。

 

実際に今、水漏れなどが起こっているわけではないため、問題はないのです。

しかし、実際に竣工から期間が経過しているため、そういった修繕にある程度お金が掛かってしまう前提で考えた方が良いと言えます。

(参考:もちろん、どのようなリノベーションをしたのか、などはチェックすべきです。ただ実質的に害が起きている訳ではないもののを修繕を要求することはできません。購入する際にはリノベーション済みの中古マンションであっても修繕費が発生することを念頭におきましょう)

 

落とし穴2:あと、何年そのマンションに住めるのか?

次に、当サイトが指摘したいデメリットは「あと、何年そのマンションに住めるのか?」という点です。

この点は中古マンションを進めている書籍やサイトでも指摘している人が少ないようです。

しかし、当サイトではとても重大なリスクであると指摘します。

詳しい点は本サイトの別記事「マンションの寿命を分析 〜マンションはあと何年住めるのか?〜」で取り上げていますので、ここでは簡単に解説しましょう。

マンションの建て替え寿命は 33.4年であり、都市部は長くなる傾向があり40年程度というデータがあります。(出展:東京カンテイ

この数値はマンションが竣工して、建て替えまでに至る期間の平均です。

ですので、当然40年以上経過していて建て替えていないマンションもあるため多少は平均が伸びると言えますが、全国平均である 33.4年で建て替えているマンションも一定数あることから、この数値をしっかりと認識をしてください。

そして、当然ではありますが、建て替え時には一時金が発生します。その額は1000万円程度は見積もっておきたいと言えます。

ちなみに、マンションの建て替えはマンションの区分所有者(つまりマンションを持っている人)のうち8割が賛成すれば、建て替えられます。そのため、もし、貴方が中古マンションを購入して10年程度で建て替えの議案が上がり反対をしたとしても、残りの8割以上の人が賛成をすれば、建て替えになってしまうのです。

(備考:実際に法律では区分所有者のうち8割が賛成すれば、建て替えられますが、実際に8割の賛成で建て替えるというケースは多くありません。反対する人が一定数いれば、その反対を押し切って法的な根拠を持ってして強行採決に進むケースが少ないようです。とは言っても、法律上は8割で建て替えができることと、今後そういった建て替え時のマンションが増えてくることから、

 

落とし穴3:リノベーションしたすぐ後に建て替え・・・というリスクも

これは、少し極端な話ではありますが、築古の中古マンションを購入してリノベーションをした。そのすぐ後にも関わらず、建て替えというリスクも十分にあります。

もちろんこれは極端な例であり、現実的には建て替えの決議は時間を要するため、直近のマンションの管理組合議事録などを見て建て替えの議案がなければ、すぐに上がってくるものではないでしょう。

しかし、リスクとして頭の片隅には置いておきたいところです。

 

落とし穴4:修繕積立金は当初から高い

次に修繕積立金に関してです。

マンションの場合、修繕積立金は以下の青色の棒グラフのように徐々に年数を経るごとに修繕積立金の額が高くなっているケースが多いです。

段階増額積立方式(引用:国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン)

段階増額積立方式(引用:国土交通省 マンションの修繕積立金に関するガイドライン)

イメージとしては、新築マンションであれば8000円くらいの修繕積立金が20年くらいの中古マンションだと20000円くらいの修繕積立金となります。

つい、ローンの毎月の返済額に気を取られすぎると、思わぬ修繕積立金の額に驚いてしまいかねません。

 

落とし穴5:マンション全体の修繕積立金はできているか?

意外かもしれませんが、マンションの管理組合がズサンであり、無計画な修繕を行うことなど様々な要因で修繕積立金が足りない。というケースも意外と多いのです。

例えば、以下のような理由などです。

  1. 無計画な修繕によって管理組合の積立金が足りない。
  2. 修繕を今までしておらず、すべき修繕が多すぎる。
  3. そもそも、本来の計画の時点で積立金が足りない。
  4. 所有者の事情などによって、未払いが起きている。

などです。

修繕計画などは中古マンションの購入の検討時に確認するようにしましょう。

 

 

最後に

この記事では当サイトが考える中古マンションの落とし穴ということで、あまり知られていないけれども、重要なものを5つピックアップしてみました。

この落とし穴があるから、中古マンションは辞めたほうが良い。というように短絡的に考えるのではなく、ぜひともリスクを踏まえた上での最終の判断をしていただきたいと考えています。

しっかりとリスクを踏まえた上であれば、中古マンションはとても良い選択となりますし、実際にその人の状況によってはベストなケースもあると私たちは考えています。

しかし、安直に「中古マンションは新築マンションのような広告費や業者の利益が入っていないから有利!」と言って勧めるべきものではないと考えています。

リスクとリターンを踏まえて、しっかりと考えてください。