タワーマンションってどうなの?メリットとデメリットを比較してみた

タワーマンションってどうなの?メリットとデメリットを比較してみた

このページではタワーマンションに関して解説をしながらメリットとデメリットを比較していきます。ここでいう「タワーマンション」とは条例で指定されるケースがある高さ97m以上(目安として20階建て以上)のマンションと定義しています。

戸数については、特に具体的な定義を定めていませんが、この記事においては階数が多くなることで戸数も多くなると考え、戸数が多いことによるスケールメリットも発生することから200戸以上のタワーマンションであることを前提として解説をしていきます。

また、同じ戸数が多いマンションでもタワーのように高さのあるマンションではなく、面積の広いマンションについては本サイトでは「大規模マンション」と定義して、別の記事を記載していますので、そちらに興味がある方はこちらの「大規模マンションってどうなの?メリットとデメリットを比較してみた」も合わせてチェックしてみてください。

タワーマンションならではのメリット

(1)高級感のあるマンションの外観、共用部分に価値が有る

タワーマンションの最大のメリット。それは高級感のあるマンションの外観や共用部分にあります。

この高級感のある外観や共用部分はマンションの入居者の満足感を満たしてくれ、それだけでも価値が有るように思いますが、別のメリットもあるのです。

それは、高級感のある外観や共用部分によって「タワーマンションの価値も維持出来る」というメリットがあります。

その理由を、中古マンションを購入する人の立場になって考えてみましょう。

中古マンションを購入する場合、現在の所有者が「既に退去しているか」「まだ住んでいるか」に分かれますが、どちらの場合であっても新築マンションと異なる点は「タワーマンションの実物を見れる」という点です。

また所有者が「まだ住んでいる」場合でも、共用部分などは確認することができますので、その際に高級感のある外観や共用部分は価値を訴求できるのです。

こういった理由によって、タワーマンションの高級感はタダの入居者の満足だけでなく、価値の維持にも貢献しているのです。

 

(2)コンシェルジュや、ガードマンなどがおり、まるでホテルのような生活が味わえる。

二つ目のメリット「コンシェルジュや、ガードマンなどがおり、まるでホテルのような生活が味わえる」点でしょう。

これはタワーマンションのパンフレットなどにも掲載されていますが(1)で挙げた「高級感のあるマンションの外観、共用部分」と相まって本当にホテルのような生活を送ることができるのです。

 

(3)タワーマンションは相続税の節税にもなる。

詳しくは本サイトの以下の記事にも記載をしていますが、土地の持分が低いため相続税の金額が少なくなりますが、資産価値が高く売却する時には、売りやすく価格も保たれやすいということで節税になるのです。

【タワーマンションを購入検討している人は要チェック?】タワーマンションを節税のために購入する人ってどんな人?

 

タワーマンションにありがちなデメリット

ここまでで、タワーマンションのメリットを挙げていきました。

やはり、タワーマンションの最大の特徴と言えるのが、中古市場においても価値が評価されやすく、売りやすいという点が挙げられるでしょう。

では、逆にどんなデメリットがあるのか?次からはそんなタワーマンションのデメリットについて考えてみましょう。

(1)投資目的での購入・賃貸で住んでいる人など幅広い人が住んでいる。

一つ目のデメリットは住民の幅が広く、住民間の交流に注意が必要という点でしょう。

タワーマンション投資目的での購入されている人もいるため、賃貸などで借りている人なども結構多いことも挙げられます。

「賃貸で住んでいる人が多いからダメ」というわけではありませんが、他のマンションと比べると本当に「幅広くいろいろな人が住んでいる」のがタワーマンションと言えます。

例えば、極端に悪い例をあげると「マルチ商法で儲かった人」がタワーマンションに住んでいる場合もあります。

そのような場合だと、よく共用部分のソファなどででマルチ商法の勧誘をしているケースもあるようです。(マルチ商法の人はファミレスで勧誘している人もいるようですが、一定以上のマルチのランクになると成功していることを伝えるためにタワーマンションに住んでいるので成功しているということをアピールする目的もあります。)

あるいは、最近ではAirbnbという「民家」に泊まれるサービスにもタワーマンションが掲載されるケースも増えています。

もちろん、ちゃんとした人も住んでいます。普通のサラリーマンの人も普通に住んでいますし、経営者の人や自由業の人なども住んでいます。

同じマンションに住んでいるだけですので、直接のデメリットなどはありませんが、タワーマンションならではの幅の広い住民がいるということは認識しておきましょう。

例えば、よくある話としては、タワーマンションを頑張って購入した子供のいる世帯の奥さんと同じマンションで上層階の子供がいる世帯の奥さんと話をすると、金銭感覚や生活習慣が全然違うということに悩まれるということもあります。

例えば、子供の教育にかけられるお金の違いや外食先の場所や頻度、海外旅行などが全然違うというのが、目に見えてしまい比較してしまうというのが、デメリットと言えるかもしれません。

もちろん、そういったことを気にしない人であれば、デメリットにはならないでしょう。

なお、一方でタワーマンションではなく、大規模マンションなどでは明確にファミリー世帯が多く、その中でも普通のサラリーマンが多いため、そこまで幅が広くないので、話が合いやすいと言えるでしょう。

 

(2)通勤時間帯はエレベーター待ちが起きる可能性も?

最近のタワーマンションでは、複数台のエレベーターや速度も早いものが登場しているので、昔ほどエレベーター待ちが起きるということは少なくなってきているようです。

しかし、たまたまエレベーターに乗る人が複数人も重なってしまう場合には、どうしてもエレベーター待ちが起きる可能性はあると認識しておきましょう。

 

(3)修繕積立金が高めになっている。

実は今の日本(2016年時点)では、タワーマンションの大規模な修繕というのは実績としてほとんどありません。

というのも、大規模なタワーマンションは2000年代に成ってから急増しているため、これから1回目の大規模修繕が増えてくるというタイミングであり、まだまだ実績が積み上がっていないのが現状なのです。

しかし、タワーマンションの大規模な修繕も実績がゼロではありません。

例えば、55階建て総戸数650戸「エルザタワー55」(埼玉県川口市)などは既に大規模な修繕が行われていますが、この大規模な修繕が普通のマンションとは方法が異なるのです。

通常のマンションは足場を組んで修繕をしますが「エルザタワー55」のような大規模なタワーマンションの場合、ゴンドラを使って修繕をしていきます。(参考:日経ビジネス「地上150メートルのゴンドラ上で修繕を考える」)

このような修繕ができる業者も限られますし、期間も伸びてしまうことから、通常の修繕よりも費用がかかってしまいます。

また、修繕積立金というのは将来の修繕のために「仮で積み立てている」だけですのでもし、将来さらに費用が発生してしまう。という場合には追加での修繕費用も捻出しなければならないということも考えられます。

 

(4)人気が高くないマンションになると、価値が暴落してしまうリスク有

タワーマンションの場合、立地が非常に良い場所に建設されるケースが多いため、人気が高くないタワーマンションというのはそこまで、数は多くありません。

しかし、物によってはどうしても人気が低いタワーマンションもあります。

そして、そのような人気が低いタワーマンションは同じく人気の低い低層マンションよりも価値が暴落してしまうリスクが高く、価格の暴落が如実に表れやすいと言えるのです。

「なぜ、そんなことになるのか?」と思われたかもしれません。では、なぜそのようになるのかを、順を追って解説していきましょう。

まずは、改めてマンションを売るということはどういうことなのかを一度考えてみましょう。

マンションを売る人というのは「どれだけその土地、マンションが気に入っていても売らないといけない状況になる」というケースも多いのです。

「タワーマンション」を売ることになった方の場合には、投資目的で保有する人や経営者の方も多く場合、そのような人の場合、投資や事業に失敗してしまって売らなければならない。というケースも発生してしまうのです。

そのような人が100戸の中から1〜2戸、という具合に一定の割合で発生します。

500戸のタワーマンションの場合、それだけで10戸弱がすぐに売りに出てしまうのです。

その際に、人気のある立地などであれば、すぐに買い手は見つかるので何も問題はないのです。

しかし、例えば「周辺にさらに立地の良いタワーマンションが新しくできる」などによって人気が出ない場合があります。

ここで問題となってしまうが、売れ残りの数です。

戸数が少ない不人気のマンションの場合はたとえ売れ残っても1〜2戸です。対して戸数の多い不人気のマンションは10戸弱ほど売れ残ってしまうのです。

常に複数の住戸が売れている中古マンションになると「あのマンションは常に中古で出ている」という話題になったり「売却戸数同士で価格競争になってしまい、価値が下がってしまう」というワケです。

*この点は「大規模マンション」の方にも当てはまるデメリットでありますが、「タワーマンション」の場合は都心部にあるため比較的価値は維持されますが、「大規模マンション」の方は街ごとの開発するため価値が出るのか予想しにくいとも言えますね。

 

まとめ

タワーマンションのメリット、デメリットの比較は参考になりましたでしょうか。

タワーマンションの最大のメリットは、その高級感やランドマーク性などから資産価値が維持されやすい点と言えるでしょう。

「損をしないマンション選び」を重視するのであれば、タワーマンションというのは外せない選択肢であると言えます。

一方で、本サイトの調査の結果、意外なデメリットも数多くあります。

例えば、上の記事中にも出てきましたが、マルチ商法の基地になるということは結構、よくあります。

成功しているマルチ商法の人だけでなく、タワーマンションの住民が使えるゲストルームなどであれば、面積も広いですから、料理教室などを行う名目でマルチ商法をする人もいます。

あるいは、タワーマンションでも下層の方だと普通の一般の生活水準の人が多いのですが、上層階に行くと生活水準が大きく異なるので、子供がいる家庭だとその点もストレスになるかもしれないですね。

子供から「上の階に住んでいる○○ちゃんがまた家族でハワイに行くって行ってたから私も行きたい」とかを長期休暇の度に言われても、直接何かデメリットがあるわけではありませんが、そんなこともあり得るのだと心の中には覚悟をしておきたいものですね。