【保存版】治安チェックシート付き!プロが教える治安を分析する3つの手法

【保存版】治安チェックシート付き!プロが教える治安を分析する3つの手法

この記事ではマンション選びにおいて非常に気になる「治安」についてどのように分析をすれば良いのかを伝授します。

日頃、本サイト「マンション探偵」では様々なマンションの情報を分析し、実際に現地にも赴いています。

そこで得た地域の治安を分析するノウハウを一挙公開します。

マンションの調査、分析を行うマンション探偵だからこそ得たプロのノウハウをぜひ、活用してください。

また、本記事では治安を簡単にチェックできる「治安チェックシート」を<こちら>から無料でダウンロードできます。

詳しい使い方やポイントの解説はこの記事の以下「ステップ3」に記載をしていますので、参考にしてください。。

 

ステップ1:まず、広く、全体像を掴む分析

まずは、「犯罪発生率」「刑法犯認知件数」の指標で犯罪数が多いか少ないかを掴むことから始めましょう。

最初に根拠のある数値をもとに全体の感覚をつかむということがとても重要と言えます。

特にインターネットの口コミで不安を感じている人にはこの手法から始めることがお勧めです。

インターネットの口コミは非常に便利で有益ですが、一方でデメリットもあります。それは個別の一つの事象をさも全体がそうであるように誇張した表現となっている点や、複数人の意見が混ざっているため「結局何が良いのかわからなくなる」という点です。(それがある意味メリットでもありますが…)

そんな悩ましい状況であれば、「犯罪発生率」「刑法犯認知件数」の客観的な指標で犯罪数を分析することが重要です。

 

例えば、大阪の犯罪の発生数を知りたい場合には、大阪市の発表する「大阪市の犯罪発生状況」が便利です。

これは、代表的な犯罪の種類ごとに大阪のそれぞれの区で起きた犯罪の発生数を数値化したものになります。

大阪犯罪発生(引用:大阪市)

大阪犯罪発生(引用:大阪市

 

また、犯罪の発生率をランキング形式にしたものが「スマイティ」というサイトにあります。

犯罪発生率(引用:スマイティ)

犯罪発生率(引用:スマイティ

犯罪発生率の場合、そこに住んでいる人口で計算をするため、都市部などそこに住んでいないが別の場所から訪れる人が多い場所は数値が高くなる傾向にあります。

そのため、この数値だけを意識すると誤った認識を持ってしまいかねません。

「犯罪の発生率」は参考程度として、「犯罪の発生数」を意識するように心がけましょう。

 

また、このステップ1のデメリットをいかにまとめていますので、そのデメリットもしっかりと認識をした上で取り組んでください。

<この指標のデメリット>

デメリット1:犯罪率のデータは夜間人口(そこに住んでいる人)のデータになっている。

例えば、田舎に住んでいるが都心部で犯罪を犯しても、都心部の犯罪数となります。

しかし、その犯罪者は都心に住んでいないため、犯罪率が高まってしまう。

デメリット2:市町村区単位となっており、広すぎる。

また、「刑法犯認知件数」の数値は全ての刑法犯の元データとなっており、非常に参考になりますが、市町村区単位となっており、広すぎます。

もちろん、自分の検討しているエリアを他のエリアと比べられるため、全体像を掴むという点ではとても役立つ指標ではあるのですが、同じ市や区の中でも治安が良い場所とそうでない場所がありますが、このステップではわかりません。

そこで、ステップ2へ進みましょう。

 

ステップ2:ハザードマップで知りたいエリアを重点チェック

では次にステップ2では、本サイトで頻出の「ハザードマップ」を用いて、知りたいピンポイントの地点の犯罪傾向を調べます。

これは先ほど上記でご説明をしたステップ1のデメリットである「市町村区単位となっており、広すぎる。」という点を解決するための手段です。

このハザードマップでは、実際に地図上で「どこの場所で」犯罪が起きたのか。そして、どんな犯罪がいつ起きたのかが記載されている、非常に便利なマップとなっているので、ぜひ、以下のそれぞれのハザードマップを見て活用しましょう。

大阪府警察犯罪マップ(外部サイトへリンク)

京都府警察/性犯罪等発生状況:(外部サイトへリンク)

兵庫県警察子どもハザードマップ(外部サイトへリンク)

安全安心map:(全国の情報が掲載されている•外部サイトへリンク)

 

ただ、このハザードマップを用いた手法にも当然、デメリットがあります。

ステップ1やステップ3と組み合わせながら、それぞれのデメリットを認識しながら利用すると良いでしょう。

<この指標のデメリット>

デメリット1:全ての犯罪データが掲載されていない。

残念ながら一部の犯罪のデータしか掲載されておらず、全ての犯罪のデータが掲載されていないのが最大のデメリットです。

ただし、一部の犯罪であってもその場所に犯罪が多いのかという傾向を掴むという意味では非常に有益なもののため、「ステップ1」の手法と組み合わせて行うことによって、さらに詳しくその地域の治安を解明することができます。

デメリット2:一般市民からの連絡となっており、犯罪ではないものも含まれている。

デメリット2はある意味でメリットとも言えますが、安全安心mapなどの場合、一般市民からの連絡情報も掲載されており、これには「犯罪」が含まれていないものも入っています。

例えば「声かけ」事例などは厳密には犯罪ではありませんので、偶然、観光に来ていた外国人が話しかけただけかもしれません。

それがこの中に「不審者情報」として掲載されてしまっていますので、中身もしっかりと確認をしたいところです。

ただ、逆に言えば「犯罪予備軍」の行動もこの中に入ってくることになります。

子供がいる親から見れば「今の時点では犯罪ではなくても将来犯罪を起こしそうな奴がいれば事前に情報を共有しておきたい」と思うのが普通でしょう。

何か事件が起きてからでは遅いのです。

 

ステップ3:現地をチェックシート片手に歩き回る

そして、最後に最も重要なことが「現地を自分の足で回って確認をする」ということです。

結局のところ、自分の目や足で得た情報が最も重要な情報と言えるでしょう。

ただ、単に「確認しましょう」と言われても「一体何を確認すればいいのか…」となるのが普通です。

そこで、この記事の目玉でもある「チェックシート」に沿って点数をつけていきましょう。

点数ごとでの治安の評価基準も合わせて、以下に記載していますので、ぜひ活用しましょう。

チェックポイント 具体的なポイント 点数
競馬・競艇などギャンブル系の施設がある 競馬や競艇などは実際にレースを行う場所だけでなく、券売り場の近くも雰囲気が一気に劣悪になります。それを低減させるため競馬場や競艇場では、警備員を配置していますが、雰囲気は良くありません。 15点
街に落書きが多い 高架下などに小さい落書きが一つ・二つであればそこまで気にしなくても良いが、大きな落書きやシャッター・看板等にスプレー等で落書きされていれば要注意。 15点
 身なりの汚いおじさんが多い   汚い・人数の基準はありませんが、貴方の肌感覚で感じた通りで構いません。 14点
駐輪場ではない場所に駐輪している 自転車やバイクなどマンションの周辺、駐輪場ではない場所に目安として5台以上、不法駐輪している自転車が多ければ要注意。 10点
 夜のコンビニ周辺の若者が集まっている  若者がコンビニの前などに集まっていれば、要注意。 10点
周辺の路上駐車をしている車が多い 路上駐車をしている車が多い地区は要注意。目安は見える範囲(100m程度)で3台以上ハザードが付いていない路上駐車があれば要チェック。 10点
公営住宅が多い 全ての公営住宅に住んでいる人が悪いわけではありませんが、公営住宅が多い場所は地域の治安も悪いケースが非常に多いため、要注意。 10点
茶髪の子供が多い 日本人の子供の茶髪率であり、当然欧米は除きます。子供の茶髪率=親の教育水準と考えます。子供の茶髪は数人でも目立ち、たまたまそこにいた(住んでいない)という可能性もあるため、点数は低めに設定しています。 5点
 パチンコ屋が多い  パチンコ屋が多いだけでは、治安が悪いことと直結しませんが、パチンコ屋が与える街の雰囲気やパチンコ屋に入り浸る者が周辺の雰囲気を悪化させます。  5点
地域住民向けの掲示板のチラシが多すぎるor古い 宗教や営業のチラシが多い場所は個人宅向けの営業なども頻繁に行なわれている地区となるため、あまり良くありません。

情報が古いケースはほぼありませんが、地域の活動が行われていないことになるため、良くありません。

3点
歩道上のゴミ・犬のフン等がある ゴミはある程度、良好な住宅街でも落ちているケースがあり、犬のフンも一人のマナーの悪い飼い主がいれば目立つが、実際の治安とはそこまでリンクしていません。(高級と言われている住宅街でも犬のフンは意外とあります。) 3点

 

点数 評価
0点 全く問題のない地域と言えるでしょう。ただ、本サイトのメンバーもこのチェックリストに従って街をチェックしていますが、0点となる場所は全体の1〜2割ほどと少ない印象です。チェックする採点者自身が納得するために甘く点数を採点してはいないか、もう一度、振り返りましょう。

それでも問題なければ、問題ない街といえます。

1〜14点 住むのに適した普通の街だと言えるでしょう。十分に良い街といえます。

特にマンションの場合はベットタウンの戸建てとは異なり、利便性の良い街となるケースがほとんどです。

その場合、どうしても多少気になる点はどこにでもありますが、マンションを選ぶ以上は仕方ありません。

15点〜49点 少し、注意を要する場所と考えます。ただ、あまりに気にしすぎる必要もないのではないかと考えます。

このチェックシートではある程度都心部であれば、このくらいの点数になる可能性があります。

また、当サイトの調査結果では、この点数のような場所はそこまで多くはありません。

治安が悪い場所であれば、このチェックシートに従えばほぼ50点を超えてくるため、この点数が出た場合あまり大きな問題ではないと想定されます。できれば、他の地域なども点数をチェックするようにしたいところです。

50点〜70点 基本的に治安はあまり良くないでしょう。

この点数の場合「下町」と呼ばれる地域であれば「下町の中でも治安は悪い方」になります。

ただ、少し環境の悪い都心部でもこの点数の範囲になることがあります。

71点以上 治安が悪い場所といえます。

注意をしないといけないのはこのような地域のマンションの場合、都心部にあるケースが多いため「都心の良さ」を重視した広告を行っている場合があります。

このような立地の場合には「都心の良さ」に目を向けるのではなく、実際にマンションのある場所に目を向けましょう。

また、上のチェックリストをPDFにして簡単に印刷できるようにしたチェックシート「治安チェックシート」を<こちら>から無料でダウンロードできます。

ぜひ、参考にお使いください。

 

ちなみに「よく治安をわかるポイントとして言われるが、あえて入れなかった」項目としては、「高級車が多いか?or軽自動車が多いか?」については、あえて入れませんでした。

理由としては、高級住宅街は確かに高級車が多いのですが、逆に治安の悪い場所にも高級車は多いものためです。

また、軽自動車はある程度お金のある人のセカンドカーとして購入するケースもあるため、入れていません。

 

最後に

今回、紹介した3つのステップをもう一度、振り返ってみましょう。
ステップ1:まず、広く、全体像を掴む分析
ステップ2:ハザードマップで知りたいエリアを重点チェック
ステップ3:現地をチェックシート片手に歩き回る
これら、3つのステップはそれぞれ、一長一短ある手法となっています。

できれば、この3つの手法それぞれをしっかりと使って治安を分析していきましょう。

また、治安を分析する際に最も大事なことは「単に一つの事象だけで判断をしてはいけない」ということです。

「ここでこのような事件が起きた」「ここはチェックシートによると70点だから危険」というように一つだけで判断してはいけません。

その後ろにある本当の事実を知るように心がけてください。

 

また、私たち「マンション探偵」もその事を改めて認識して、いろいろなマンションの調査に取り組んでいきますので、ぜひ応援をお願い致します。