神戸の災害・ハザードマップ分析レポート【2016年保存版】

神戸における洪水の被害想定について

では、このページでは神戸における洪水の被害想定をチェックしていきましょう。

昭和の時代は死者600名を超える大規模な洪水被害が何度か発生していました。

ですが、堤防などの整備によって徐々に被害は少なくなってきました。

しかし、近年でも神戸において水害は発生しています。

例えば、平成10年・平成11年に2年連続で被害が発生した「新湊川水害」や平成20年に5人が亡くなった「都賀川増水事故」など近年においても神戸市内において洪水の被害が発生していることがわかります。(リンク先:神戸市「近年に神戸市で起きた水害」)

特に「都賀川増水事故」の例では突発的な集中豪雨によって局地的な被害が発生していることがわかります。

このことから、神戸市のそれぞれの区ごとに被害の可能性がある地区が点在していますので、それぞれリスクがある場所をしっかりと把握しておくことが重要です。

ということで、このレポートでは神戸市のそれぞれの区ごとにおいて洪水リスクを確認していきましょう。

東灘区の洪水ハザードマップ

東灘区では以下の地図の通りJR住吉駅を中心とする「西獺川」(リンク先:wikipedia)周辺に浸水被害が想定されていることがわかります。

特にこの黄色のエリアが浸水被害が想定されているエリアとなっていますので、注意が必要です。

一方で津波の被害などが想定されていた六甲アイランドは洪水においては、しっかりと対策がなされているようで住宅地においての浸水は見受けられません。

詳しくは本地図の引用元:東灘区の洪水ハザードマップ(PDF注意)をご覧ください。

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(引用:神戸市「東灘区洪水ハザードマップ」)

灘区の洪水ハザードマップ

灘区では洪水浸水のリスクのある場所は表示されていないようです。

灘区のハザードマップ上では幾つか黄色の浸水エリアと表示されていますが、どちらも「東灘区」と「中央区」に位置しているため、あまりリスクは高くはないようです。

しかし、川沿いなどは注意が必要です。上述した近年死者を出した「都賀川増水事故」のあった「都賀川」は神戸市灘区となっています。

そういったことからも後述する「神戸市河川モニタリングカメラシステム」を用いて、大雨の際・大雨があった翌日などは川の増水に気を配るようにしてください。

リンク先:灘区の洪水ハザードマップ(PDF注意)を

中央区の洪水ハザードマップ

中央区においては広範囲に浸水リスクがあると指定されています。

まず、1点目は春日野道周辺のエリアです。

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(引用:神戸市「中央区洪水ハザードマップ」)

そして、次のエリアが三宮から元町にかけてのエリアが浸水リスクがあると言われています。

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(引用:神戸市「中央区洪水ハザードマップ」)

特に三宮から元町・ハーバーランドのエリアは神戸随一の繁華街ではありますが、洪水のリスクも非常に高い地域となっています。

詳しくは以下のリンク先からご覧ください。

ちなみに、上のハザードマップの西側にある黄色のエリアは兵庫区内に入っていますので、兵庫区のエリア

リンク先:中央区の洪水ハザードマップ(PDF注意)

兵庫区・長田区・須磨区の洪水ハザードマップ

次に兵庫区・長田区・須磨区の洪水ハザードマップの状況を確認してみましょう。

まずは新湊川のエリアを見てみます。

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今までは主に黄色のエリアとなっていましたが、薄い水色のエリアが確認できます。

この薄い水色は浸水域が0.5m〜3.0m未満のエリアとなっています。

この周辺は洪水の被害が大きい地域となっており、神戸の中でも洪水被害の要注意の場所の一つです。

(引用:神戸市「兵庫区洪水ハザードマップ」)

次に板宿駅周辺を見てみましょう。

このエリアも板宿駅から鷹取駅までの広範囲に渡って浸水被害が想定されている場所となっています。

以下の二つがほとんど繋がっている地域となります。

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(引用:神戸市「須磨区洪水ハザードマップ」)

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(引用:神戸市「須磨区洪水ハザードマップ」)

さらに須磨区は妙法寺駅周辺も洪水被害が想定されている地域となります。

また、以下の地図の薄い紫色の場所は浸水域が3.0m〜5.0m未満のエリアとなっており、大きな洪水被害が想定されている場所となっているのです。

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(引用:神戸市「須磨区洪水ハザードマップ」)

特に妙法寺駅周辺のように甚大な洪水被害が想定されている場所にはサイト上からモニタリングカメラによっていつでも確認できるようになっています。

そのモニタリングカメラはこちらとなっています。

リンク先:18)妙法寺川 上与市橋 上流左岸(神戸市河川モニタリングカメラシステム)

リンク先:兵庫区の洪水ハザードマップ(PDF注意)

リンク先:長田区の洪水ハザードマップ(PDF注意)

リンク先:須磨区の洪水ハザードマップ(PDF注意)

垂水区の洪水ハザードマップ

垂水区では洪水のリスクがある場所は点在しており、ここでは4箇所ピックアップしています。

まず、塩屋駅・山陽塩屋駅から塩屋小学校周辺の地点となります。

かなりピンポイントの場所になっていますが、塩屋駅・山陽塩屋駅からも非常に近い場所ということもありますので、注意が必要です。

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(引用:神戸市「垂水区洪水ハザードマップ」)

次に垂水駅・山陽垂水駅周辺にも洪水リスクがあるようです。

以下の地図を見るとわかりますが、この場所に関しても駅から非常に近い場所に洪水が予測されています。

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(引用:神戸市「垂水区洪水ハザードマップ」)

そして、次も駅に近い場所になっています。

場所は西舞子駅周辺の場所になっており、こちらも駅前の狭い範囲に被害が想定されていることがわかります。

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(引用:神戸市「垂水区洪水ハザードマップ」)

そして、垂水区4点目の洪水リスクと考えられているのが西脇小学校の周辺の場所となっています。

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(引用:神戸市「垂水区洪水ハザードマップ」)

垂水区の洪水ハザードマップの特徴としては、被害が想定される場所が点在していることと、駅前周辺に被害の可能性があると想定されている点と言えるでしょう。

また、洪水の被害は決して住む場所だけが危険なわけではありません。ここに挙げている駅周辺を普段利用される場合には注意が必要と言えるでしょう。

リンク先:垂水区洪水ハザードマップ(PDF注意)

西区・北区の洪水ハザードマップ

そして、最後に西区と北区の洪水ハザードマップを見てみましょう。

西区や北区の場合、神戸市の他の区よりも洪水のリスクが高い地点が多くなっていますが、新築マンションの数も少ないため、当サイトをご覧の方で検討している人も少ないのではないでしょうか。

そのため、西区と北区については洪水の被害の大きそうな点のみをピックアップしてみていきます。

実際に西区や北区に住むことを検討している人は必ず以下のリンクからそれぞれの場所の洪水リスクをしっかりと確認することが重要です。

リンク先:西区洪水ハザードマップ(PDF注意)

リンク先:北区洪水ハザードマップその1(PDF注意)

リンク先:北区洪水ハザードマップその2(PDF注意)

それでは、まずは北区の神鉄道場駅周辺の洪水ハザードマップを見てみましょう。

かなり広範囲に洪水の被害が想定されていることがわかります。

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(引用:神戸市「北区洪水ハザードマップ」)

次に西区のハザードマップを見てみましょう。

西区は多くの洪水リスクがある点がありますので、ぜひ、住む場合には住もうとしている場所は洪水の被害が少ない場所なのか確認するようにしたいところです。

まずは明石駅周辺のハザードマップ。かなり広範囲にわたって洪水のリスクがあると考えられているようです。

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(引用:神戸市「西区洪水ハザードマップ」)

上の画像からもう少し北側の位置の洪水ハザードマップになります。

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(引用:神戸市「西区洪水ハザードマップ」)

次は伊川谷小学校・伊川谷中学校周辺の洪水ハザードマップです。

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(引用:神戸市「西区洪水ハザードマップ」)

次は平野小学校付近の洪水ハザードマップとなっています。

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(引用:神戸市「西区洪水ハザードマップ」)

そして、最後が西神中央駅より少し南側のエリアのハザードマップとなります。

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こうしてみると西区や垂水区が比較的、洪水のリスクが多いものの神戸市全体に洪水のリスクがあることから、それぞれ注意しないといけないことがわかります。

ただ、この洪水ハザードマップでは「主要な河川(一・二級河川)における浸水範囲被害」を想定したものであり、小さな河川や溝、水路からあふれた水による浸水の被害は想定されていない(色が付けられていない)ため、色が付いていない=安全とは決して思わないことが大事です。

また、最後に危険リスクの高い場所について、それぞれリアルタイムのモニタリング映像を公表しています。

以下のリンク先のホームページからは今の神戸市内の河川のリアルタイムの状況がわかりますので、ぜひ、チェックしてみましょう。

そして、大雨のタイミングの時にはこのモニタリングシステムを見て河川の増水の状態を把握すると被害の軽減に役立つでしょう。

参考:「神戸市河川モニタリングカメラシステム

それでは、次のページが最後の分析となります。神戸における「土砂災害」の被害を分析してみましょう。